耳鼻咽喉科・頭頸部外科87巻13号

2015年12月発行

原著

囊胞を呈した甲状腺癌転移リンパ節症例

著者： 宮原裕¹ 成尾一彦¹ 松代直樹¹ 笹井久徳¹

所属機関： ¹大阪府立急性期・総合医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科

ページ範囲：P.1151 - P.1154

文献概要

はじめに

　甲状腺癌は原発巣が一部囊胞状を呈することは稀ではないが，頸部リンパ節転移巣が囊胞所見を示すことはきわめて稀である。しかも，原発巣には囊胞性変化がなくても転移巣が囊胞を形成することがある。その際には側頸囊胞，鰓性囊胞癌やHPV感染性扁桃癌の転移などとの鑑別も必要となる。今回われわれはそのような2症例を経験したので，文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1）山田恵子：甲状腺腫様の超音波診断特に乳頭癌とろ胞癌の超音波所見について．日本医放会誌46：887-902，1986

2）広村忠雄・他：甲状腺囊胞性乳頭癌のUS診断．日本医放会誌50：40-47，1990

3）原沢有美・他：囊胞性リンパ節転移を伴う甲状腺乳頭癌の超音波像．日本医放会誌51：S211，1991

4）Clinberg JZ, et al：Cervical cysts：cancer until proven otherwise. Laryngoscope 92：27-30, 1982

5）武者信行・他：囊胞状頸部リンパ節転移を伴う甲状腺乳頭癌の検討．外科64：707-712，2002

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