耳鼻咽喉科・頭頸部外科87巻3号

2015年03月発行

特集 痛みの鑑別診断

顔が痛い

著者： 松根彰志¹

所属機関： ¹日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.212 - P.215

文献概要

POINT

●「顔が痛い」を訴える疾患は，耳鼻咽喉科以外に脳神経外科，口腔外科，皮膚科，時には精神科の疾患など多岐にわたる。

●耳鼻咽喉科領域では，副鼻腔疾患，症候性も含めた三叉神経痛，頭頸部腫瘍（手術）などが主な原因疾患である。

●治療としては，原因除去が最も重要であるが，特に神経因性や心因性の場合，治療に難渋し，対症療法的な薬物治療に頼ることも少なくない。

●薬物治療としては，NSAIDs，カルバマゼピン，ステロイド，時には抗うつ薬が用いられる。神経ブロックが有効な場合もある。

参考文献

1）吉田知之：顔面痛．JOHNS 21：841-843，2005

2）石田　恵：うつからの非定型型顔面痛．慢性疼痛32：275-279，2013

3）太田実紀：三叉神経痛・顔面けいれんの診断．Brain Nursing 30：637-639，2014

4）和嶋浩一：顎関節痛と咀嚼筋痛．JOHNS 21：873-876，2005

5）村上信五・他：ハント症候群　新図説耳鼻咽喉科・頭頸部外科講座　2．中耳・外耳．森山　寛　編．メディカルビュー社．東京，2000，pp242-245

6）Olsen KD：Complication of surgery of the parapharyngeal space. Complication in Head and Neck Surgery. Mosby, St Louis, 1993

7）Netterville JL, et al：Vagal paraganglioma：A review of 46 patients treated during a 20-year period. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 124：1133-1140, 1998

8）Chiu AG, et al：first bite syndrome；Surgery involving the parapharyngeal space. Head Neck 24：996-999, 2002

9）川島慶之・他：First bite syndrome. JOHNS 21：890-893, 2005