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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科87巻5号

2015年04月発行

増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド

Ⅰ.耳の手術

鼓室形成術:真珠腫性中耳炎

著者: 松田圭二1

所属機関: 1宮崎大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科

ページ範囲:P.26 - P.30

文献概要

症例呈示

 37歳,男性,両側の弛緩部型中耳真珠腫の症例。6か月前に難聴の強い左側に一期的に外耳道保存型鼓室形成術(Ⅲi-M)を行った。経過は良好で,今回,右耳の手術目的で入院した。

 右鼓膜所見で,陥凹した弛緩部にデブリが貯留,後上部には白色の真珠腫塊が透見できた(図1)。左側は術後耳で,薄切軟骨で形成したscutumに陥凹はない。オージオグラムでは,右側により強い伝音難聴を認めた。側頭骨CTで右側には,上鼓室,乳突洞,鼓室洞に軟部陰影があり,ツチ・キヌタ骨の破壊像と周囲の石灰化を認めた。半規管瘻孔はなく,耳管から中鼓室まではよく含気していた。

参考文献

1)Fisch U, et al:Tympanoplasty, Mastoidectomy, and Stapes Surgery, 2nd ed. Thieme, Stuttgart-New York, 2008
2)森満 保:イラスト中耳真珠腫.メディカルイラスト社,東京,2006
3)柳原尚明・他:真珠腫の治療—その問題点と対策.金原出版,東京,2003
4)Sanna M, et al:Middle Ear and Matoid Miscosurgery, 2nd ed. Thieme, Stuttgart-New York, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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