文献詳細
増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅰ.耳の手術
文献概要
症例呈示
37歳,男性,両側の弛緩部型中耳真珠腫の症例。6か月前に難聴の強い左側に一期的に外耳道保存型鼓室形成術(Ⅲi-M)を行った。経過は良好で,今回,右耳の手術目的で入院した。
右鼓膜所見で,陥凹した弛緩部にデブリが貯留,後上部には白色の真珠腫塊が透見できた(図1)。左側は術後耳で,薄切軟骨で形成したscutumに陥凹はない。オージオグラムでは,右側により強い伝音難聴を認めた。側頭骨CTで右側には,上鼓室,乳突洞,鼓室洞に軟部陰影があり,ツチ・キヌタ骨の破壊像と周囲の石灰化を認めた。半規管瘻孔はなく,耳管から中鼓室まではよく含気していた。
37歳,男性,両側の弛緩部型中耳真珠腫の症例。6か月前に難聴の強い左側に一期的に外耳道保存型鼓室形成術(Ⅲi-M)を行った。経過は良好で,今回,右耳の手術目的で入院した。
右鼓膜所見で,陥凹した弛緩部にデブリが貯留,後上部には白色の真珠腫塊が透見できた(図1)。左側は術後耳で,薄切軟骨で形成したscutumに陥凹はない。オージオグラムでは,右側により強い伝音難聴を認めた。側頭骨CTで右側には,上鼓室,乳突洞,鼓室洞に軟部陰影があり,ツチ・キヌタ骨の破壊像と周囲の石灰化を認めた。半規管瘻孔はなく,耳管から中鼓室まではよく含気していた。
参考文献
1)Fisch U, et al:Tympanoplasty, Mastoidectomy, and Stapes Surgery, 2nd ed. Thieme, Stuttgart-New York, 2008
2)森満 保:イラスト中耳真珠腫.メディカルイラスト社,東京,2006
3)柳原尚明・他:真珠腫の治療—その問題点と対策.金原出版,東京,2003
4)Sanna M, et al:Middle Ear and Matoid Miscosurgery, 2nd ed. Thieme, Stuttgart-New York, 2012
掲載誌情報