文献詳細
増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅰ.耳の手術
文献概要
症例呈示
数年前から両側難聴,特に左耳はほとんど聴こえず,断続的な耳漏も伴っていたが,放置していた。2011年3月末から左耳周囲の痛みが出現し,同年4月初旬より左顔面神経麻痺をきたして前医を受診した。前医では顔面神経スコア(柳原法)は20/40点であった。抗菌薬,ステロイド点滴加療が行われて麻痺は改善傾向にあったが,精査加療目的で4月中旬に当科紹介となった。
当科受診時,外耳道の腫脹が著明で(図1a),側頭骨CT検査(図2a)では,広範な外耳道骨の破壊,顔面神経の露出,外側半規管に瘻孔を伴う広範囲の陰影を認めた。聴力検査(図3a)では右中等度混合難聴,左高度感音難聴であったが,めまいなどの前庭症状や病的眼振の所見は認められなかった。翌日,左中耳根治術を施行した。
数年前から両側難聴,特に左耳はほとんど聴こえず,断続的な耳漏も伴っていたが,放置していた。2011年3月末から左耳周囲の痛みが出現し,同年4月初旬より左顔面神経麻痺をきたして前医を受診した。前医では顔面神経スコア(柳原法)は20/40点であった。抗菌薬,ステロイド点滴加療が行われて麻痺は改善傾向にあったが,精査加療目的で4月中旬に当科紹介となった。
当科受診時,外耳道の腫脹が著明で(図1a),側頭骨CT検査(図2a)では,広範な外耳道骨の破壊,顔面神経の露出,外側半規管に瘻孔を伴う広範囲の陰影を認めた。聴力検査(図3a)では右中等度混合難聴,左高度感音難聴であったが,めまいなどの前庭症状や病的眼振の所見は認められなかった。翌日,左中耳根治術を施行した。
参考文献
1)鈴鹿有子:結核性中耳炎と中耳手術.JOHNS 17:749-752,2001
2)三橋拓之・他:悪性外耳道炎の5例.耳鼻臨症103:15-21,2010
3)新川秀一・他:半規管瘻孔の処置.JOHNS 16:1516-1520,2001
掲載誌情報