文献詳細
増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅲ.口腔咽頭・唾液腺の手術
文献概要
症例呈示
症例は72歳,女性。主訴は左耳下部腫瘤であった。約5年前から左耳下部の腫瘤に気付くも放置していた。徐々に増大したため近医を受診し,耳下腺腫瘍を疑われたため当科を紹介された。自発痛や圧痛は認めなかった。触診すると腫瘍は弾性硬で,辺縁は整,可動性はやや不良であった。
MRIでは左耳下腺にT1強調画像で低信号,T2強調画像で不均一な高信号を呈する,境界鮮明な腫瘤性病変を認めた(図1)。下顎後静脈は偏位していなかった。エコーでは左耳下腺内に境界明瞭な低エコー病変を認め,深部では部分的に高信号を呈した(図2)。穿刺吸引細胞診では多形腺腫が疑われた。
症例は72歳,女性。主訴は左耳下部腫瘤であった。約5年前から左耳下部の腫瘤に気付くも放置していた。徐々に増大したため近医を受診し,耳下腺腫瘍を疑われたため当科を紹介された。自発痛や圧痛は認めなかった。触診すると腫瘍は弾性硬で,辺縁は整,可動性はやや不良であった。
MRIでは左耳下腺にT1強調画像で低信号,T2強調画像で不均一な高信号を呈する,境界鮮明な腫瘤性病変を認めた(図1)。下顎後静脈は偏位していなかった。エコーでは左耳下腺内に境界明瞭な低エコー病変を認め,深部では部分的に高信号を呈した(図2)。穿刺吸引細胞診では多形腺腫が疑われた。
参考文献
1)Bhattacharyya N, et al:An objective assessment of the advantages of retrograde parotidectomy. Otolaryngol Head Neck Surg 131:392-396, 2004
2)Grosheva M, et al:Electromyographic facial nerve monitoring during parotidectomy for benign lesions does not improve the outcome of postoperative facial nerve function:a prospective two-center trial. Laryngoscope 119:2299-2305, 2009
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