文献詳細
増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅲ.口腔咽頭・唾液腺の手術
文献概要
はじめに
中咽頭がんの治療体系は,近年大きく変化している。従来の手術主体の治療から,化学放射線療法(chemo-radio therapy:CRT)に移行しており,治療後の機能についてもその優位性が示唆されている1)。また,human papilloma virus(HPV)関与の中咽頭がんは増加しており,わが国でも50%に達している2)。HPV関与の中咽頭がんは治療によく反応することが知られており3,4),CRTが選択されることが多いが,非関与癌では当科のデータでもCRTによる制御率は有意に低く,手術治療は初回治療として一定の意義を有している。
中咽頭がんの治療体系は,近年大きく変化している。従来の手術主体の治療から,化学放射線療法(chemo-radio therapy:CRT)に移行しており,治療後の機能についてもその優位性が示唆されている1)。また,human papilloma virus(HPV)関与の中咽頭がんは増加しており,わが国でも50%に達している2)。HPV関与の中咽頭がんは治療によく反応することが知られており3,4),CRTが選択されることが多いが,非関与癌では当科のデータでもCRTによる制御率は有意に低く,手術治療は初回治療として一定の意義を有している。
参考文献
1)Kano S, et al:Matched pair analysis in patients with advanced oropharyngeal cancer;surgery versusconcurrent chemoradiotherapy. Oncology 84:295-298, 2013
2)藤井正人:わが国における中咽頭がんHPV感染の現状.頭頸部癌38:390-393,2012
3)家根且有:HPVからみた中咽頭癌の個別化治療.耳喉頭頸86:807-811,2014
4)菅澤 正:中咽頭癌.耳喉頭頸84:267-271,2012
5)長谷川泰久:側壁進行癌の切除と再建.イラスト手術手技のコツ 咽喉頭頸部編,村上泰監修.東京医学社,東京,2005,pp145-147
6)花井信広・他:進行中咽頭癌の手術で下顎正中離断が必要かどうか迷ってしまう!.JHONS 30:1365-1367,2014
7)櫻庭 実・他:中咽頭上側壁切除後の再建術.口咽科26:27-32,2013
8)千年俊一・他:内視鏡下輪状咽頭筋切除術の手技と切除効果.日気食会報64:253-264,2013
9)大上研二・他:中咽頭癌に対する低侵襲手術と術後機能.口咽科26:19-25,2013
掲載誌情報