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増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド Ⅳ.喉頭・下咽頭の手術
進行喉頭癌:喉頭亜全摘出術
著者: 中山明仁1
所属機関: 1北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.231 - P.234
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58歳,男性。3か月前から増悪する嗄声を自覚し,地域病院を受診した。右仮声帯〜声帯を占拠する腫瘍を認め,生検の結果,扁平上皮癌と診断された。声門癌の診断にて,化学放射線療法(放射線照射70Gy+白金製剤)が施行された。
病状は一時軽快したが,治療後24か月目に嗄声が再燃し,声帯の固定が確認された。右仮声帯〜声帯の表面に明らかな腫瘍性変化は認められなかったが,症状が改善しないため,初回治療から26か月目に全身麻酔下で生検が行われ,癌の再発が確認された。救済喉頭全摘出術(以下,全摘と略す)が呈示されたが,喉頭機能を喪失したくないという患者の強い拒否があり,当科へ喉頭亜全摘出術施行の目的で紹介された。
58歳,男性。3か月前から増悪する嗄声を自覚し,地域病院を受診した。右仮声帯〜声帯を占拠する腫瘍を認め,生検の結果,扁平上皮癌と診断された。声門癌の診断にて,化学放射線療法(放射線照射70Gy+白金製剤)が施行された。
病状は一時軽快したが,治療後24か月目に嗄声が再燃し,声帯の固定が確認された。右仮声帯〜声帯の表面に明らかな腫瘍性変化は認められなかったが,症状が改善しないため,初回治療から26か月目に全身麻酔下で生検が行われ,癌の再発が確認された。救済喉頭全摘出術(以下,全摘と略す)が呈示されたが,喉頭機能を喪失したくないという患者の強い拒否があり,当科へ喉頭亜全摘出術施行の目的で紹介された。
参考文献
1)Sobin L,Wittekind(編):TNM悪性腫瘍の分類第6版.金原出版,東京,2002,pp36-42
2)Hinerman R, et al:T3 and T4 True Vocal cord squamous carcinomas treated with external beam irradiation:a single institution's 35-year experience. Am J Cli Onc 30:181-185, 2007
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4)Laccourreye O, et al:Trade-off between survival and laryngeal preservation in advanced laryngeal cancer:The otorhinolaryngology patient's perspective. Ann Otol Rhinol Laryngol 121:570-575, 2012
5)日本頭頸部癌学会(編):頭頸部癌診療ガイドライン2009年版.金原出版,東京,2009,pp25-30
6)中山明仁・他:喉頭CT検査.JOHNS 28:906-910,2012
7)Nakayama M, et al:Clinical outcome of supracricoid laryngectomy with cricohyoidoepiglottopexy:radiation failure versus previously untreated patients. Auris Nasus Larynx 40:207-210, 2013
8)Nakayama M, et al:Delayed wound infection after supracricoid partial laryngectomy following failure of high dose radiation. Eur Arch Otorhinolaryngol 268:273-279, 2011
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