文献詳細
特集① 外来で要注意!アレルギー周辺疾患
文献概要
POINT
●口腔アレルギー症候群は,特定の食物摂取後30分以内に口腔内の痒みや異常感や腫れが出現する病態の総称である。
●北海道や北欧に多いシラカバ花粉症では高率に合併し,花粉抗原と果物抗原に共通した部分があることに起因する。
●経皮的に感作されたラテックスアレルギーにおいても高率に口腔アレルギー症候群を併発する。
●診断には,問診,血清の特異的IgE検索,スキンプリックテスト,経口負荷試験などがあるが,後2者の検査においてはアナフィラキシーショックのリスクもあるので注意が必要である。
●鑑別すべき疾患として血管性浮腫が挙げられるが,食物摂取に関連しないため,問診により容易に鑑別される。
●治療の基本は,ほかの食物アレルギーと同様に抗原の回避となるが,口腔アレルギー症状に対する免疫療法の有効性についてはいまだに結論がでていない。
●口腔アレルギー症候群は,特定の食物摂取後30分以内に口腔内の痒みや異常感や腫れが出現する病態の総称である。
●北海道や北欧に多いシラカバ花粉症では高率に合併し,花粉抗原と果物抗原に共通した部分があることに起因する。
●経皮的に感作されたラテックスアレルギーにおいても高率に口腔アレルギー症候群を併発する。
●診断には,問診,血清の特異的IgE検索,スキンプリックテスト,経口負荷試験などがあるが,後2者の検査においてはアナフィラキシーショックのリスクもあるので注意が必要である。
●鑑別すべき疾患として血管性浮腫が挙げられるが,食物摂取に関連しないため,問診により容易に鑑別される。
●治療の基本は,ほかの食物アレルギーと同様に抗原の回避となるが,口腔アレルギー症状に対する免疫療法の有効性についてはいまだに結論がでていない。
参考文献
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