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原著
診断に苦慮した成人Still病の1例
著者: 中座資実1 大橋健太郎1 大木幹文1
所属機関: 1北里大学メディカルセンター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.781 - P.785
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耳鼻咽喉科は咽頭痛,発熱,リンパ節腫脹などを主訴とする上気道感染症の治療を行うことが多い。そのなかで,速やかに症状が改善せず遷延化して治療に苦慮する症例をしばしば経験する。一般に成人Still病は内科で診断・治療する疾患のため耳鼻咽喉科医が遭遇することは少ない疾患であり,発熱,皮疹,関節炎を主な症状とする以外には,検査所見の少ない疾患である1)。今回われわれは,咽頭痛・頸部痛で来院し診断に苦慮した患者を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
耳鼻咽喉科は咽頭痛,発熱,リンパ節腫脹などを主訴とする上気道感染症の治療を行うことが多い。そのなかで,速やかに症状が改善せず遷延化して治療に苦慮する症例をしばしば経験する。一般に成人Still病は内科で診断・治療する疾患のため耳鼻咽喉科医が遭遇することは少ない疾患であり,発熱,皮疹,関節炎を主な症状とする以外には,検査所見の少ない疾患である1)。今回われわれは,咽頭痛・頸部痛で来院し診断に苦慮した患者を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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