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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科88巻2号

2016年02月発行

文献概要

原著

外耳道癌における中耳温存手術10例の検討

著者: 金丸朝子1 齊藤祐毅1 小村豪1 蝦原康宏1 柿木章伸1 朝蔭孝宏1 山岨達也1

所属機関: 1東京大学医学部付属病院耳鼻咽喉・聴覚音声外科

ページ範囲:P.147 - P.151

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はじめに

 側頭骨悪性腫瘍は比較的稀な疾患であり,発生頻度は100万人に1人であると報告されているが外耳道原発の癌はさらに少なく1)日常診療で遭遇することは稀である。初期の外耳道癌は難治性外耳道炎などの炎症性疾患と鑑別困難で,早期診断が難しいことが多く2),統一された病期分類や手術方法は定まっていない。また,われわれの渉猟しえた範囲において本邦で外耳道癌根治切除後の聴力予後を検討した報告はない。今回われわれは,比較的早期の外耳道癌に対して中耳温存手術を施行した10症例を後向きに検討した。

参考文献

:Tumors of the Ear and the Temporal Bone. Lippincott Williams & Wilkins. Philadelphia, 2000, pp68-83
2)犬山征夫・他:聴器癌の治療成績と最近の治療方針について.耳鼻33:92-99,1987
3)岸本誠司:側頭骨原発悪性腫瘍—治療方針決定までの効果的な方策.頭頸部外科7:57-62,1997
4)Narushima M, et al:Supermicrosurgical reconstruction for congenital aural atresia using a pure skin perforator flap:concept and long-term results. Plast Reconstr Surg 131:1359-1366, 2013
5)細川誠二・他:外耳道癌の臨床的検討.耳鼻臨床101:845-848,2008
6)志賀英明・他:外耳道・中耳扁平上皮癌における予後因子の検当.Otol Jpn 17:128-132,2007
7)久世文也・他:当科における聴器癌症例の検討.Otol Jpn 20:79-85,2010
8)山口勝矢・他:外耳道癌の10症例.耳鼻臨床(補)80:62-66,1995
9)内田真哉:一期的鼓室・外耳道形成術を行った深部外耳道癌の1例.Otol Jpn 17:143-146,2007
10)切替一郎:中耳伝音器の臨床病態生理.新耳鼻咽喉科学改訂10版,野村恭也編.南山堂,東京,2008,p31

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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