耳鼻咽喉科・頭頸部外科88巻3号

2016年03月発行

特集 新しい指定難病制度を理解する

≪耳鼻咽喉科領域の指定難病≫

好酸球性副鼻腔炎

著者： 松原篤¹

所属機関： ¹弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲：P.204 - P.208

文献概要

POINT

●難治性の副鼻腔炎である好酸球性副鼻腔炎が指定難病の対象とされた。

●診断にはJESREC Studyによる臨床スコアが重要であり，鼻茸組織中好酸球数により確定診断が得られる。

●末梢血好酸球数，CT所見，および，喘息・アスピリン不耐症・NSAIDsアレルギー合併の有無から重症度を判定し，中等症・重症の症例が申請対象となる。

●好酸球性中耳炎を合併する場合には，好酸球性副鼻腔炎の重症として申請対象となる。

参考文献

1）菊池　茂・他：副鼻腔炎とエリスロマイシン少量長期投．耳鼻臨床84：41-41，1991

2）森山　寛・他：内視鏡下鼻腔整復術の術後成績—エリスロマイシン（術後少量長期）投与例と非投与例の比較．耳展35：351-356，1992

3）春名眞一・他：好酸球性副鼻腔炎（Eosinophilic Sinusitis）．耳展44：195-201，2001

4）Ishitoya J, et al：Eosinophilic chronic rhinosinusitis in Japan. Allergol Int 59：239-245, 2010

5）藤枝重治・他：好酸球性副鼻腔炎の診断基準：JESREC Study．日鼻誌53：75-76，2014

6）藤枝重治・他：好酸球性副鼻腔炎：診断ガイドライン（JESREC Study）．日耳鼻118：728-735，2015

7）富岡幸子・他：気管支喘息患者における難治性中耳炎．Otol Jpn 2：603，1992

8）松谷幸子・他：気管支喘息患者の難治性中耳炎—好酸球性中耳炎（Eosinophilic Otitis Media）．耳喉頭頸67：712-713，1995

9）鈴木秀明・他：好酸球性中耳炎全国疫学調査．Otol Jpn 14：112-117，2004．

10）松原　篤・他：好酸球性中耳炎の臨床像の再検討および診断基準2008年試案の検証について．Otol Jpn 19：567，2009

11）Iino Y, et al：Diagnostic criteria of eosinophilic otitis media, a newly recognized middle ear disease. Auris Nasus Larynx 38：456-461, 2011