文献詳細
特集 いまさら聞けない聴覚検査のABC
文献概要
POINT
●耳鳴はゼロになることはない,変動する,治療はやっかいであるといった特徴や病態の説明を十分に行い検査を施行する。
●ピッチマッチ検査での耳鳴周波数は耳鳴自体と同一であることは少なく,あくまで近似した周波数であるということを被験者に話しておく。
●ラウドネスバランス検査では被験者の訴えからは耳鳴がかなり大きくても感覚的には25dB以上ということはなく,自覚的な耳鳴の大きさと一致しないこともある。
●内耳からの興奮性入力の低下が,大脳皮質(聴覚野)において異常な活動性や可塑的な変化を惹起することから,画像により耳鳴の診断ができることがある。
●耳鳴りは心理面での影響も大きく,精神神経疾患との鑑別を十分に行ったうえで検査を選択して行う。
●耳鳴はゼロになることはない,変動する,治療はやっかいであるといった特徴や病態の説明を十分に行い検査を施行する。
●ピッチマッチ検査での耳鳴周波数は耳鳴自体と同一であることは少なく,あくまで近似した周波数であるということを被験者に話しておく。
●ラウドネスバランス検査では被験者の訴えからは耳鳴がかなり大きくても感覚的には25dB以上ということはなく,自覚的な耳鳴の大きさと一致しないこともある。
●内耳からの興奮性入力の低下が,大脳皮質(聴覚野)において異常な活動性や可塑的な変化を惹起することから,画像により耳鳴の診断ができることがある。
●耳鳴りは心理面での影響も大きく,精神神経疾患との鑑別を十分に行ったうえで検査を選択して行う。
参考文献
1)小田 恂:ピッチマッチ検査とラウドネスバランス検査による耳鳴の評価.耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療のコツと落とし穴 耳疾患,神崎 仁(編).中山書店,東京2006,pp20-21
2)坂田英明:耳鳴りはなぜ起こるのでしょうか? また治るのでしょうか? JOHNS 26:1287-1289,2010
3)坂田英治・他:耳鳴の病態と治療 粘膜麻酔剤ならびにステロイド剤中耳腔注入の成果とともに.耳鼻臨床75:2525-2535,1982
4)Lempert J:Tympanosympathectomy, a surgical technic for releaf of tinnitus aurium. Arch Otolaryng 43:199, 1946
5)Rosen S:Chorda tympanic nerve section and tympanic plexectomy. Arch Otolaryng 50:81, 1949
6)Newman CW, et al:Development of the Tinnitus Handicap Inventory(THI)for evaluating treatment outcome. J Am Acad Audiol 9:153-160, 1998
7)立木 孝(編):聴覚検査の実際改訂第3版.南山堂,東京,1992,pp150-155
8)土井勝美,他:耳鳴の認知に関連する脳内部位のPET診断.耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療のコツと落とし穴 耳疾患,神崎 仁(編).中山書店,東京2006,pp68-69
9)小川 郁:聴覚異常感の病態とその中枢性制御.SPIO:東京2013
10)Jastreboff PJ:Tinnitus retraining therapy. Prog Brain Res:166:415-423, 2007
掲載誌情報