耳鼻咽喉科・頭頸部外科88巻7号

2016年06月発行

特集 顔面神経麻痺—新たな展開

《病的共同運動への対応》

病的共同運動の予防のためのミラーバイオフィードバック

著者： 中村克彦¹

所属機関： ¹徳島大学医学部耳鼻咽喉科学・中村耳鼻咽喉科クリニック

ページ範囲：P.486 - P.491

文献概要

POINT

●ミラーバイオフィードバックは，病的共同運動の予防に有効である。

●顔面神経麻痺の予後は，神経断裂の線維の割合に左右される。

●ENoGによる予後診断は，病的共同運動の予後判定にも有用である。

●ミラーバイオフィードバックを行うためには，患者教育が重要である。

●集団リハビリテーションは，患者の理解を深めるために有用である。

参考文献

1）中村克彦・他：Bell麻痺の病的共同運動の予防—バイオフィードバック療法有効例—．耳鼻臨床92：133-137，1999

2）Nakamura K, et al：Biofeedback rehabilitation for prevention of synkinesis after facial palsy. Otolaryngology Head and Neck surgery 128：539-543, 2003

3）中村克彦・他：顔面神経麻痺のリハビリテーション．耳鼻臨床101：413-421，2008

4）Seddon HJ：Three types of nerve injury. Brain, 66：238-288, 1943

5）Esslen E：Electromyography and electroneurography. Facial nerve surgery（Fish U, ed）, Kugler Medical Publishing Co, Amstelveen, 1977, pp93-100

6）稲村博雄：顔面神経麻痺の電気生理学的検査—誘発筋電図からみたベル麻痺患者の経過を中心にして—．耳喉頭頸78：737-747，2006

7）東　貴弘・他：病的共同運動の発症を予防するためのバイオフィードバック療法の適応について．Facai N Res Jpn 22：158-160，2002

8）任　重・他：正常及び側頭骨内顔面神経麻痺における同側及び反対側顔面神経電気刺激による口輪筋誘発筋電図．耳鼻臨床79：223-237，1986

9）中村克彦・他：完全脱神経をきたした顔面神経麻痺例に対するリハビリテーション．Facai N Res Jpn 27：印刷中，2007

10）高橋美香・他：顔面神経麻痺患者に対する集団リハビリテーション　Facial N Res Jpn 31：148-150，2011