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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科89巻2号

2017年02月発行

文献概要

特集 こどもの上手な診かた 《トピックス》

遺伝子検査

著者: 原真理子1 守本倫子2

所属機関: 1国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー・感染研究部 2国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.168 - P.172

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POINT

●先天性難聴に対し遺伝子検査を行うことにより,難聴の程度や自然歴,治療法,合併症などが予測でき,個々の症例に応じた介入が行える。

●難聴を合併する症候群では,難聴のみならず,合併症に対する事前の予防策や適切な治療開始など,時機を逸することなく対応していくことができる。

●遺伝情報には,生涯変化しない不変性,血縁者間で同じ情報を有する可能性がある共有性,将来の発症を推測できる予測性などの特殊性があり,不適切に扱われた場合には不利益が生じる可能性があるため,慎重に扱うべきである。

●遺伝子検査を行う際には,検査前後に専門家を交えた遺伝カウンセリングが必須であり,心理社会的な支援を含めた総合的な遺伝医療体制を整える必要がある。

参考文献

1)日本聴覚医学会:遺伝性難聴の手引き.金原出版株式会社,東京,2016
2)Pagon RA, et al:Coloboma, congenital heart disease, and choanal atresi with multiple anomalies, CHARGE association. J Pediatr 99:223-227, 1981
3)McDonald-McGinn DM, et al:The Philadelphia story:the 22q11.2 deletion:report on 250 patients. Genet Couns 10:11-24, 1999
4)平林慎一:頭蓋骨縫合早期癒合症を伴う症候群に対する臨床診断.医学のあゆみ240:621-625,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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