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特集 内視鏡手術の上達ポイント 《咽喉頭・唾液腺領域》
経口的咽喉頭部分切除術
著者: 森本浩一1 丹生健一1
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科外科頸講座耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
ページ範囲:P.333 - P.339
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●TOVSを行うにあたり必要なことは,①術野の確保,②視野の確保,③病変を扱う鉗子や切除・止血器具,といった手術環境および器具である。
●中咽頭がん側壁型の切除では内側翼突筋の確認,舌根部の切除を行い,術後は挿管のまま管理することで後出血のリスクを避けられる。
●下咽頭がん後壁型の切除では食道癌に対するESDと同様の手順となる。確実な腫瘍の進展範囲確認にも必須の手技である。
●TOVSは低侵襲な手技であるが,術後障害に留意して慎重に適応を検討する必要がある。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年4月)。
●TOVSを行うにあたり必要なことは,①術野の確保,②視野の確保,③病変を扱う鉗子や切除・止血器具,といった手術環境および器具である。
●中咽頭がん側壁型の切除では内側翼突筋の確認,舌根部の切除を行い,術後は挿管のまま管理することで後出血のリスクを避けられる。
●下咽頭がん後壁型の切除では食道癌に対するESDと同様の手順となる。確実な腫瘍の進展範囲確認にも必須の手技である。
●TOVSは低侵襲な手技であるが,術後障害に留意して慎重に適応を検討する必要がある。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年4月)。
参考文献
1)塩谷彰浩:経口的喉頭・下咽頭部分切除術.耳鼻臨101:68-69,2008
2)Shiotani A, et al:Videolaryngoscopic transoral en bloc resection of supraglottic and hypopharyngeal cancers using laparoscopic surgical instruments. Ann Otol Rhinol Laryngol 119:225-232, 2010
3)Yamashita T, et al:Endoscopic transoral oropharyngectomy using laparoscopic surgical instruments. Head Neck 33:1315-1321, 2011
4)Tomifuji M, et al:Transoral videolaryngoscopic surgery for oropharyngeal, hypopharyngeal, and supraglottic cancer. Eur Arch Otorhinolaryngol 271:589-597, 2014
5)冨藤雅之・他:Transoral Videolaryngoscopic Surgery(TOVS).日気食会報66:303-310,2015
6)Weinstein GS, et al:Transoral robotic surgery:a multicenter study to assess feasibility, safety, and surgical margins. Laryngoscope 122:1701-1707, 2012
7)佐藤靖夫・他:下咽頭表在癌の手術治療—内視鏡的咽喉頭手術(ELPS)の経験.日耳鼻109:581-586,2006
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