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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科89巻4号

2017年04月発行

文献概要

原著

ビスホスホネートの副作用と考えられた外耳道骨壊死の1例

著者: 小出千秋1 穂苅豊2

所属機関: 1小出耳鼻咽喉科 2ほかり医院

ページ範囲:P.355 - P.359

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はじめに

 ビスホスホネート(bisphosphonate:BP)は悪性腫瘍の骨転移による高カルシウム血症などの抑制や,骨粗鬆症による高齢者の骨折の予防を目的とする薬剤として広く使用されている。その副作用として頭頸部領域では顎骨壊死が知られている。頭頸部領域における他の部位の骨壊死として,海外においては外耳道骨壊死の報告が散見されるが,本邦ではBPによる外耳道骨壊死の報告はまだみられない。

 今回,筆者らはBPによる外耳道骨壊死と考えられる症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)亀井淳三:骨粗鬆症治療薬.最新薬理学,赤池昭紀・他(編),廣川書店,東京,2012,pp497-502
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3)Pollizotto MN, et al:Bisphosphonete-associated osteonecrosis of the auditory canal. Br J Haematol. 132:114, 2006
4)Thorsteinsson AL, et al:Bisphosphonate-Induced Osteonecrosis of the External Auditory Canal:A Case Report. J Clin Med Case Reports 2:1-3, 2015
5)Froelich K, et al:Bisphosphonate-induced osteonecrosis of the external ear canal:a retrospective study. Eur Arch Otorhinolaryngol 268:1219-1225, 2011
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17)柴原孝彦・他(著・訳):薬剤・ビスフォスフォネート関連顎骨壊死MRONJ・BRONJ—最新米国口腔顎顔面学会と本邦の予防・診断・治療の指針.クインテッセンス出版,東京,2016,pp58-83
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19)篠田 壽:ビスフォスフォネートの構造と薬理作用.The Bone 21:21-28,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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