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増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル Ⅰ 聴覚検査
6 耳鳴検査と聴覚過敏検査
著者: 大石直樹1 堀明美1 忰田かおり1
所属機関: 1慶應義塾大学病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.36 - P.41
文献購入ページに移動●目的
【耳鳴検査】
・音響心理学的な耳鳴の性状の評価
・患者が自覚する耳鳴に近似する音の抽出
【聴覚過敏検査】
・聴覚過敏を直接評価する目的の聴覚検査は存在しない
補充現象を評価する閾値上聴覚検査(SISI検査,ABLB検査など)は,聴覚過敏を測定する検査とは異なる。不快閾値検査(UCL検査)を聴覚過敏検査として代用することが,一定程度受け入れられている。
●対象
【耳鳴検査】
・自覚的な耳鳴のある患者はすべて適応
あくまで自覚的な症状である耳鳴の他覚的評価法が確立していない現状において,耳鳴の自覚的表現と並び,耳鳴を評価する検査法として用いられる。ただし,自覚的な変化と耳鳴検査上の変化が必ずしも相関しないといった問題点もあり,治療効果評価としてはsecondary outcomeとして用いられることが多い。
【聴覚過敏検査】
・自覚的な聴覚過敏のある患者
聴覚過敏は音に対する異常な感受性の亢進と捉えることができるが,コンセンサスの得られた定義はまだない。「音に対する異常に低い許容」状態と考えられ,不快感,恐怖などの負の情動を併せもつことが特徴である。
【耳鳴検査】
・音響心理学的な耳鳴の性状の評価
・患者が自覚する耳鳴に近似する音の抽出
【聴覚過敏検査】
・聴覚過敏を直接評価する目的の聴覚検査は存在しない
補充現象を評価する閾値上聴覚検査(SISI検査,ABLB検査など)は,聴覚過敏を測定する検査とは異なる。不快閾値検査(UCL検査)を聴覚過敏検査として代用することが,一定程度受け入れられている。
●対象
【耳鳴検査】
・自覚的な耳鳴のある患者はすべて適応
あくまで自覚的な症状である耳鳴の他覚的評価法が確立していない現状において,耳鳴の自覚的表現と並び,耳鳴を評価する検査法として用いられる。ただし,自覚的な変化と耳鳴検査上の変化が必ずしも相関しないといった問題点もあり,治療効果評価としてはsecondary outcomeとして用いられることが多い。
【聴覚過敏検査】
・自覚的な聴覚過敏のある患者
聴覚過敏は音に対する異常な感受性の亢進と捉えることができるが,コンセンサスの得られた定義はまだない。「音に対する異常に低い許容」状態と考えられ,不快感,恐怖などの負の情動を併せもつことが特徴である。
参考文献
1)小田 恂:耳鳴検査.聴覚検査の実際 改訂3版,日本聴覚医学会(編),南山堂,東京,2009,pp150-155
2)新田清一:耳鳴検査.JOHNS 24:739-742,2008
3)新田清一:耳鳴検査.JOHNS 29:1500-1503,2013
4)柘植勇人:聴覚異常感と内耳疾患.MB ENT 188:15-23,2016
5)坂田俊文:耳閉感・聴覚過敏に対する診断と治療.MB ENT 188:44-51,2016
6)村井和夫:閾値上聴力検査.聴覚検査の実際 改訂3版,日本聴覚医学会(編),南山堂,東京,2009,pp62-68
7)小寺一興:補聴器装用のための検査.聴覚検査の実際 改訂3版.日本聴覚医学会(編),南山堂,東京,2009,pp156-162
8)Wallen MB, et al:The correlation between the hyperacusis questionnaire and uncomfortable loudness levels is dependent on emotional exhaustion. Int J Audiology 51:722-729, 2012
9)君付 隆・他:聴力に異常のない聴覚過敏患者における内耳機能検査の特徴.Audiology Japan 52:152-156,2009
10)山田浩之・他:Khalfa Hyperacusis Questionnaire日本語版の妥当性について.Audiology Japan 56:655-656,2013
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