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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科89巻5号

2017年04月発行

文献概要

増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル Ⅲ 顔面神経検査

4 顎顔面形態異常の遺伝子検査

著者: 森貞直哉12 飯島一誠1

所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野 2兵庫県立こども病院臨床遺伝科

ページ範囲:P.191 - P.196

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●目的

・顎顔面形態異常の原因検索

・原因遺伝子を同定することによる,顎顔面形態異常以外の臓器障害の早期発見

・遺伝カウンセリングでの利用(次子再発率の推定など)


●対象

・顎顔面の形態異常をもつ者

 口唇口蓋裂,口蓋裂,頬骨低形成,下顎低形成(Pierre Robin症候群),耳介形成異常など,主に肉眼的に観察しうる形態異常が対象となる。ただし,口蓋裂やPierre Robin症候群が単独でみられる症例は,2016年現在原因遺伝子が同定されていないため,原則として解析対象とならない。また解析については,遺伝子解析の特殊性(不変性,予測性,共有性)1)を十分に理解し,患者・家族の自発的な同意が得られた者のみが対象となる。施行前後に十分な遺伝カウンセリングを施行するために,臨床遺伝専門医,認定遺伝カウンセラーと連携することが望ましい。

参考文献

1)福嶋義光:遺伝学的検査を考えたら.小児科診療76:1041-1045,2013
2)日本医学会:医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン,2011 http://jams.med.or.jp/guideline/genetics-diagnosis.html(最終アクセス2016年9月)
3)日本小児科学会:日本医学会ガイドライン「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」に対するQ and Aについて.2013 http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=30(最終アクセス2016年9月)
. University of Washington, Seattle, 1993-2016 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1116/(最終アクセス2016年9月)
5)梶井正他監修:新先天奇形症候群アトラス改訂第2版.南江堂,東京,2015
6)Jones KL, et al:Smith's recognizable patterns of human malformation. Elsevier. Philadelphia, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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