icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科89巻5号

2017年04月発行

文献概要

増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル Ⅴ 口腔・咽頭・唾液腺の検査

2 味覚検査

著者: 任智美1 阪上雅史1

所属機関: 1兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.232 - P.237

文献購入ページに移動
●目的

【電気味覚検査,濾紙ディスク法】

・味覚機能評価

・味覚障害の予後推測

・中枢性味覚機能障害の診断

・中耳手術後などの味覚神経障害程度の評価

・顔面神経麻痺の部位診断

【血清微量元素測定】

・受容器(味蕾)障害に対する原因精査


●対象

・味覚機能評価としては,味覚異常を訴えるすべての患者

 検査施行後,病態を検討したうえで味覚障害と診断しうる。そのほか,顔面神経麻痺の際に鼓索神経,大錐体神経の閾値を測定し,障害部位を診断する。また中耳手術や扁桃摘出術,喉頭鏡下微細手術など味覚神経障害が起こりうる手術前後も対象となりうる。ただし,電気味覚検査はペースメーカーや人工内耳装用者には原則行わない。亜鉛,鉄,銅などの血清微量元素測定は受容器障害が疑われる場合に施行する。

参考文献

1)冨田 寛:味覚障害の全貌,診断と治療社,東京,2011,pp100-101
2)中里真帆子・他:電気味覚閾値の加齢変化について.日耳鼻98:1140-1153,1995
3)冨田 寛:味覚障害の全貌,診断と治療社,東京,2011,pp135-137
4)池田 稔:味覚定性定量検査(濾紙Disc法)と電気味覚検査の相関性について.耳鼻と臨27:172-188,1981
5)冨田 寛:味覚障害の全貌,診断と治療社,東京,2011,pp140-142
6)Koss E, et al:Olfactory detection and identification performance are dissociated in early Alzheimer's disease. Neurology 38:1228-1232, 1988
7)Ogawa T, et al:Taste detection and recognition thresholds in Japanese patients with Alzheimer-type dementia. ANL 2016;11
8)冨田 寛:味覚障害の全貌,診断と治療社,東京,2011,pp168-171

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?