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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科89巻5号

2017年04月発行

増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル

Ⅵ 腫瘍の検査

6 遺伝子検査

著者: 家根旦有1

所属機関: 1近畿大学医学部奈良病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.306 - P.312

文献概要

●目的

・がんの診断

・遺伝性疾患の診断

・治療効果の予測

・薬剤の副作用の予測

 疾患の早期発見・予防のほか,本人だけでなく血縁者の健康管理も重要な目的の1つである。


●対象

 遺伝性腫瘍はすべてのがんの約5%と考えられている。その臨床的な特徴として,

 ①若年発症性(がんの平均発症年齢より若く発症)

 ②多発性(1つの臓器に複数のがんを発症,あるいは両側性,複数の臓器に原発性のがんを発症)

 ③家族内集積性(血縁者に特定の遺伝性腫瘍の関連がん罹患者が複数名いる)

が挙げられる1)。遺伝性腫瘍に対して遺伝子検査を行う目的は,疾患を早期発見することや予防することであり,本人だけでなく血縁者の健康管理も重要な目的の1つである。ただし,生殖細胞系列遺伝子検査を行うにあたっては遺伝カウンセリングが必要とされる。

参考文献

1)芦原有美・他:家族性腫瘍と遺伝子検査.超音波検査技術39:172-179,2014
2)癌情報サービス 遺伝性腫瘍・家族性腫瘍 http://ganjoho.jp/public/cancer/genetic-familial/index.html
3)丹生健一:専門医講習会テキストシリーズ 頭頸部癌.日耳鼻118:1272-1276,2015
4)渡邊良久:一般遺伝子検査.臨床と研究90:868-871,2013
5)家根旦有:遺伝子検査の臨床応用.耳鼻臨床98:673-680,2005
遺子http://square.umin.ac.jp/thyroidsurgery/_src/sc1418/ver.1.0_MEN2.pdf
7)岡山直子・他:遺伝子検査の変遷—核酸抽出からみた過去から未来.医学検査64:666-674,2015
遺伝子検査はどのような点で有用か? 金原出版,東京,2010,pp102-104
9)難病情報センターHP難治性疾患研究班情報 奇形症候群分野 Retinoblastoma http://www.nanbyou.or.jp/entry/2226

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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