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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科89巻6号

2017年05月発行

文献概要

特集 抗菌薬を使いこなす 《耳領域》

慢性中耳炎

著者: 木村百合香1

所属機関: 1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲:P.410 - P.413

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POINT

●慢性中耳炎の根本的な治療は外科的治療である。それに至るまでの感染制御や外科治療を希望しない患者に対する耳漏の停止には,抗菌薬の投与が有効である。

●慢性中耳炎では,鼓膜穿孔が存在することから,外耳道経由で点耳抗菌薬の使用が有効である。

●鼓膜穿孔が小さく点耳抗菌薬の投与ルートが確保できない場合や乳突腔への感染拡大が懸念される場合には,内服抗菌薬の投与も検討する。

●抗菌薬治療によっても良好な経過が得られない場合には,結核性中耳炎や,ANCA関連血管炎性中耳炎,好酸球性中耳炎,聴器がんなどの可能性も考慮する。

参考文献

1)厚生労働省.平成26年度患者調査(傷病分類編)p44 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h26syobyo.pdf
2)安井拓也・他:当科での中耳炎手術における術前・術後の検出菌の近年の動向.日本耳鼻咽喉科感染症研究会会誌27:145-148,2009.
3)犬童直哉・他:慢性中耳炎急性増悪例における起炎菌の検索ならびに薬剤感受性.耳鼻と臨床57:42-48,2011
4)馬場駿吉・他:耳鼻と臨床36(補3):590-604,1990
5)萩森伸一:【聴覚障害を生じる薬物】点耳洗浄.耳喉頭頸81:747-752,2009
6)中川尚志:【最新の診療NAVI 日常診療必携】難聴診療NAVI薬物による聴覚障害.耳喉頭頸84:50-54,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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