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特集 ここが知りたい! 高齢化時代の頭頸部がん診療
高齢者に対する喉頭温存手術の適応と限界
著者: 大久保淳一1 松浦一登1
所属機関: 1宮城県立がんセンター頭頸部外科
ページ範囲:P.584 - P.588
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●65歳以上人口が全人口の25%を超え超高齢社会を迎えた本邦では,後期高齢者のみならず,超高齢者を対象とした手術は珍しくない時代となった。
●下咽頭がん・喉頭がんを中心に,高齢者を対象とした喉頭機能温存手術の現況と今後の展望について解説した。
●高齢者の喉頭温存手術後の機能障害で最もQOLに影響するのは嚥下機能障害であり,術前の嚥下機能評価は必須である。
●家族が協力的であり,なおかつ本人の喉頭温存に対する強い意志があり,術前の下咽頭・食道透視で誤嚥がなく,重篤な全身疾患がない高齢者に対しては,喉頭温存手術は選択肢となりうる。
●適応基準は75歳以下であることが原則ではあるが,高齢者に対してもオーダーメイド化治療が求められる時代であり,適応基準のみで年齢の上限を画一的に定めるのではなく,同じ75歳でも個人差が大きいことを踏まえ,幅を持たせて対応することが求められる。
●65歳以上人口が全人口の25%を超え超高齢社会を迎えた本邦では,後期高齢者のみならず,超高齢者を対象とした手術は珍しくない時代となった。
●下咽頭がん・喉頭がんを中心に,高齢者を対象とした喉頭機能温存手術の現況と今後の展望について解説した。
●高齢者の喉頭温存手術後の機能障害で最もQOLに影響するのは嚥下機能障害であり,術前の嚥下機能評価は必須である。
●家族が協力的であり,なおかつ本人の喉頭温存に対する強い意志があり,術前の下咽頭・食道透視で誤嚥がなく,重篤な全身疾患がない高齢者に対しては,喉頭温存手術は選択肢となりうる。
●適応基準は75歳以下であることが原則ではあるが,高齢者に対してもオーダーメイド化治療が求められる時代であり,適応基準のみで年齢の上限を画一的に定めるのではなく,同じ75歳でも個人差が大きいことを踏まえ,幅を持たせて対応することが求められる。
参考文献
1)Chandler JR:Radiation fibrosis and necrosis of the larynx. Ann Otol Rhinol Laryngol 88:509-514, 1979
2)Fitzgerald PJ, et al:Delayed radionecrosis of the larynx. Am J Otolaryngol 20:245-249, 1999
3)Logemann JA, et al:Oropharyngeal swallow in younger and older women:videofluoroscopeic analysis. J Speech Lang Hear Res 45:434-445, 2002
4)Humbert IA, et al:Dysphagia in the elderly. Phys Med Rehabil Clin N Am 19:853-866, 2008
5)Humbert IA, et al:Neurophysiology of swallowing:effects of age and bolus type. Neuroimage 44:982-991, 2009
6)兵頭政光:加齢に伴う嚥下機能の変化様式.耳展52:282-288,2009
7)Ekberg O, et al:Altered swallowing function in elderly patients without dysphagia:Radilogic findings in 56 cases. AJR Am J Rentgenol 156:1181-1184, 1991
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