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文献概要
特集 ここが知りたい! 高齢化時代の頭頸部がん診療
代用音声
著者: 佐藤雄一郎1
所属機関: 1新潟県立がんセンター新潟病院頭頸部外科
ページ範囲:P.616 - P.622
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●頭頸部がんの多くを占める下咽頭・喉頭がん治療において,昨今は非手術治療による機能温存を期待する患者が多い。
●しかし,放射線治療を選択した場合,合併症の1つである誤嚥性肺炎は臓器予備能の低下している高齢者にとっては致命的となる。
●つまり,高齢者だからこそ全身状態など一定の条件がクリアされれば,喉頭全摘などの拡大切除を積極的に選択することも理論として成立する。
●喉頭全摘者が高齢であっても,若年者と同様に,食道発声,電気喉頭発声,シャント発声を患者のライフスタイルに合わせて公平に提案する。
●高齢者の喉頭全摘患者では,保温・加湿されない吸気による下気道障害への対策として人工鼻の使用は推奨される。
●頭頸部がんの多くを占める下咽頭・喉頭がん治療において,昨今は非手術治療による機能温存を期待する患者が多い。
●しかし,放射線治療を選択した場合,合併症の1つである誤嚥性肺炎は臓器予備能の低下している高齢者にとっては致命的となる。
●つまり,高齢者だからこそ全身状態など一定の条件がクリアされれば,喉頭全摘などの拡大切除を積極的に選択することも理論として成立する。
●喉頭全摘者が高齢であっても,若年者と同様に,食道発声,電気喉頭発声,シャント発声を患者のライフスタイルに合わせて公平に提案する。
●高齢者の喉頭全摘患者では,保温・加湿されない吸気による下気道障害への対策として人工鼻の使用は推奨される。
参考文献
1)Rieke K, et al:Depression and survival in head and neck cancer patients. Oral Oncol 2017 Feb;65:76-82. doi:10.1016/j. oraloncology. 2016.12.014. Epub 2017 Jan 1
2)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」http://gan-joho.jp/professional/index.html
3)Japan Society for Head and Neck,Cancer Registry Committee:Report of head and neck cancer registry of Japan—clinical statistics of registered patients,2013.頭頸部癌41:1-115 2015
4)大倉隆弘:新潟県の頭頸部悪性腫瘍4053例の検討—第1報:発生部位とその背景を中心に.日耳鼻会報106:164-172,2003
5)平野 実:喉頭全摘出後の音声外科的治療と発声機能.日耳鼻1984;87:950-951
6)Op de Coul BMR, et al:A decade of post laryngectomy vocal rehabilitation in 318 patients. Arch of Otolaryngol 126:1320-1328, 2000
7)Fukushima H, et al:Indwelling voice prosthesis insertion after total pharyngolaryngectomy with free jejunal reconstruaction. Laryngoscope Investigative Otolaryngol 2:30-35, 2017
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