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原著
頸部リンパ節腫脹にて発症した年長小児川崎病の3例
著者: 田中稔丈1 吉田友英1 本山治2 鈴木光也1
所属機関: 1東邦大学医学部耳鼻咽喉科学講座(佐倉) 2東邦大学医学部小児科学講座(佐倉)
ページ範囲:P.633 - P.637
文献購入ページに移動川崎病は,小児急性皮膚粘膜リンパ節症候群ともいわれ,1967年に小児科医の川崎富作によってはじめて報告されている1)。多彩な臨床症状をきたす疾患として知られており,しばしば診断に難渋する。診断とそれに続く治療の遅れによって,冠動脈病変が進展し致死的となることが知られており2),早期の診断が大切である。しかし,特徴的な臨床症状は初診時には認めないことが多く特異的な検査所見もないことが,本症の早期の診断を難しくしている。
耳鼻咽喉科外来では,発熱・頸部リンパ節腫脹を主訴に来院する例が多いが,そのなかからできるだけ早期に川崎病を見つけ出す必要がある。われわれは,2012年4月から2016年3月までの2年間に,発熱・頸部リンパ節腫脹を主訴に来院した,年長小児川崎病症例3例を経験し若干の知見を得たため,文献的考察とともに報告する。
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