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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科89巻9号

2017年08月発行

特集 自宅でできるリハビリテーションのレシピ

自宅でできるめまいのリハビリテーションの秘訣

著者: 新井基洋1

所属機関: 1横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科

ページ範囲:P.666 - P.670

文献概要

POINT

●めまいが強いと,そのまま安静を取り続け,めまいが慢性化した難治性の状態に陥る。

●めまい患者では,ふらつきによる不安や転倒の危険を考慮して,発作が激しいときは安静臥床を勧め,座位が可能になれば,座位で体を動かすことを推奨するとよい。

●立位によるめまいリハビリテーション(以下,めまいリハ)を行う際には,周囲に物がない固い平らな場所を確保し,必ず介助者を横に置いて転倒防止に努める。

●めまいの主な原因である前庭機能障害では,めまいリハにより小脳の中枢代償が促進され,回復に大きく寄与する。

●めまいに悩んでいる患者に薬物治療以外の治療法として,めまいリハを是非伝えてほしい。


*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年8月)。

参考文献

1)Epley JM:The canalith repositioning procedure:for treatment of benign paroxysmal positional vertigo. Otolarungol Head Neck surg, 107:399-404, 1992
2)Lempert T, et al:Benign positional vertigo:recognition and treatment. Bmj 311:489-91, 1995
3)Cawthorne T:Vestibular injuriese. Proc Roy Soc Med 39:270-273, 1946
4)Cooksey FS:Rehabilitation in vestibular injuries. Proc Roy Soc Med 39:273-278, 1946
5)徳増厚二:めまいのリハビリテーション.JOHNS 17:825-829,2001
6)新井基洋:めまいのリハビリテ-ションの実施と継続のこつ.めまい診療のコツと落とし穴,高橋正紘(編),中山書店,東京,2005,pp184-185
7)新井基洋:めまいの集団リハビリテ-ションとストレスマネージメント.日常診療に役立つストレスケア入門,坪井康次(編).永井書店,東京,2001,pp65-73
8)新井基洋・他:めまい集団リハビリテーションによる患者のQOL改善と不安,抑うつの関係.Equilibrium Res 68:430-436,2009
9)高橋直一・他:めまい患者における不安についての検討-STAI検査を用いて.耳喉頭頸78:933-936,2006
10)新井基洋:めまいは寝てては治らない.実践! めまいを治す24のリハビリ.中外医学書,東京,2015,pp2-68
11)新井基洋・他:めまい集団リハビリテーションの治療成績(第1報)—身体機能検査と心理学的検査を用いて—.Equilibrium Res 69:225-235,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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