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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科89巻9号

2017年08月発行

特集 自宅でできるリハビリテーションのレシピ

頸部郭清術後のリハビリテーション

著者: 田沼明1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科

ページ範囲:P.734 - P.739

文献概要

POINT

●頸部郭清術後は副神経が障害されて,僧帽筋が麻痺する可能性がある。

●副神経が温存されていれば通常僧帽筋麻痺は改善するが,6か月〜1年程度の期間を要することが多い。

●僧帽筋麻痺に対するリハビリテーションの目標は,不動による肩関節拘縮や癒着性関節包炎を予防すること,不適切な使用による過負荷で痛みの誘発を予防すること,肩凝りなどの自覚症状を緩和すること,などである。

●副神経が温存されている場合は,僧帽筋麻痺の回復を促すことも必要である。一方,副神経が切除されている場合は僧帽筋麻痺の回復は望めないため,他の筋で代償を図り肩関節可動域を維持することが目標となる。

参考文献

1)吉野邦俊:選択的頸部郭清術の適応について.日耳鼻116:986-987,2013
2)van Wilgen CP, et al:Shoulder complaints after nerve sparing neck dissections. Int J Oral Maxillofac Surg 33:253-257, 2004
3)安達一雄・他:頸部郭清術の嚥下機能に対する影響.耳鼻53:235-241,2007
4)辻 哲也・他:頸部郭清術の周術期リハビリテーション.鬼塚哲郎(編),多職種チームのための周術期マニュアル4頭頸部癌,メヂカルフレンド社,東京,2006,pp276-298
5)Salerno G, et al:The 11th nerve syndrome in functional neck dissection. Laryngoscope 112:1299-1307, 2002
6)日本リハビリテーション医学会がんのリハビリテーションガイドライン策定委員会(編):がんのリハビリテーションガイドライン.金原出版,東京,2013,pp47-49

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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