文献詳細
特集 こんなときどうする? 術中・術後のトラブル対応
《鼻領域》
文献概要
●こんなとき…
【症例】22歳,男性。主訴 鼻閉,嗅覚障害
既往:気管支喘息,アレルギー性鼻炎,口腔アレルギー。両側中鼻道と嗅裂にポリープがみられ,JESRECスコア17点,好酸球性副鼻腔炎疑いにて手術を行った。
ボスミン®外用液(0.1%)で鼻粘膜を収縮させたのち,10%コカイン液をベンシーツを用いて両側鼻粘膜に広範囲に塗布し,蝶口蓋動脈付近,嗅裂前方の前篩骨神経管付近と鼻堤に当たるように留置した。鼻中隔矯正術,右粘膜下下鼻甲介骨切除術を行い,下鼻甲介前方の切開部分の粘膜断端とneurovascular bundleはバイポーラで焼灼した。中鼻道および嗅裂後方のポリープをマイクロデブリッダーで除去,鈎状突起切除,鼻堤蜂巣を開放し,前頭洞口を確認した。篩骨胞を切除し,中鼻甲介基板を切除する頃には術野は常に血液がある状態となった。截除鉗子とマイクロデブリッダーでポリープと残存隔壁を除去してゆき,上鼻甲介・蝶形骨洞自然口を確認のうえ,蝶形骨前壁を可及的に除去した。術野には常に血液が湧き上がってきており,吸引付きの道具を使っていないと操作が困難な状況になった。手術開始後約3時間,当初70bpm程度であった心拍数が徐々に100bpm程度に上昇し,麻酔科医がフェンタニルを数回追加投与したが,心拍数は低下しない。
【症例】22歳,男性。主訴 鼻閉,嗅覚障害
既往:気管支喘息,アレルギー性鼻炎,口腔アレルギー。両側中鼻道と嗅裂にポリープがみられ,JESRECスコア17点,好酸球性副鼻腔炎疑いにて手術を行った。
ボスミン®外用液(0.1%)で鼻粘膜を収縮させたのち,10%コカイン液をベンシーツを用いて両側鼻粘膜に広範囲に塗布し,蝶口蓋動脈付近,嗅裂前方の前篩骨神経管付近と鼻堤に当たるように留置した。鼻中隔矯正術,右粘膜下下鼻甲介骨切除術を行い,下鼻甲介前方の切開部分の粘膜断端とneurovascular bundleはバイポーラで焼灼した。中鼻道および嗅裂後方のポリープをマイクロデブリッダーで除去,鈎状突起切除,鼻堤蜂巣を開放し,前頭洞口を確認した。篩骨胞を切除し,中鼻甲介基板を切除する頃には術野は常に血液がある状態となった。截除鉗子とマイクロデブリッダーでポリープと残存隔壁を除去してゆき,上鼻甲介・蝶形骨洞自然口を確認のうえ,蝶形骨前壁を可及的に除去した。術野には常に血液が湧き上がってきており,吸引付きの道具を使っていないと操作が困難な状況になった。手術開始後約3時間,当初70bpm程度であった心拍数が徐々に100bpm程度に上昇し,麻酔科医がフェンタニルを数回追加投与したが,心拍数は低下しない。
参考文献
1)森山 寛・他:内視鏡下鼻内副鼻腔手術:副鼻腔疾患から頭蓋底疾患まで.医学書院,2015
2)Wormald PJ:Endoscopic sinus surgery 2nd edition. Thieme, New York, 2012
掲載誌情報