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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科90巻1号

2018年01月発行

特集 こんなときどうする? 術中・術後のトラブル対応

《咽頭・喉頭・頭頸部領域》

副神経を切断してしまった

著者: 鬼塚哲郎1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター頭頸部外科

ページ範囲:P.60 - P.62

文献概要

●こんなとき…

【症例】35歳,男性,右頸部リンパ節腫脹

右後頸部のリンパ節腫脹の診断のため,外来の処置室にて右頸部リンパ節摘出術を行った。その際,摘出したリンパ節に接して走行していた頸神経を結紮処理した。10日後の外来受診時に,患者は右肩周囲の痛みや重たい感じを訴えたが,経過をみるように説明した。病理結果は幸い反応性リンパ節であった。患者は,その後,徐々に右肩周囲の疼痛を感じ,筋力低下も悪化して,仕事に支障をきたすようになり,3か月後に再び当院外来を受診した。右肩の下垂,僧帽筋萎縮,翼状肩甲,右上肢外転障害(90度)などを認めた。

参考文献

1)Park SH, et al:Surgical outcomes of 156 spinal accessory nerve injuries caused by lymph node biopsy procedures. J Neurosurg Spine 23:518-525, 2015
2)Cesmebasi A, et al:An anatomic-based approach to the iatrogenic spinal accessory nerve injury in the posterior cervical triangle:How to avoid and treat it. Clin Anat 28:761-766, 2015
3)Chandawarkar RY, et al:Management of iatrogenic injury to the spinal accessory nerve. Plast Reconstr Surg 111:611-617, 2003
4)Okajima S, et al:Surgical treatment for spinal accessory nerve injury. Microsurgery 26:273-277, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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