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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科90巻11号

2018年10月発行

特集 今さら聞けないかぜ診療のABC

《かぜを治す》

小児のかぜの薬物療法

著者: 阪本浩一1

所属機関: 1大阪市立大学大学院耳鼻咽喉病態学

ページ範囲:P.940 - P.943

文献概要

Point

●感冒とは,上気道の急性のウイルス感染症と考えられ,「鼻汁と鼻閉が主症状のウイルス性疾患で,筋肉痛などの全身症状がなく,熱はないか,あっても軽度なもの(おおむね38.5℃未満)を指す」とされている。

●鼻汁,鼻閉を引き起こすのは,ウイルスによる鼻副鼻腔炎と考えられる。

●かぜの多くは自然治癒すること,抗菌薬の投与や対症療法に関するエビデンスでは,これらの有用性は必ずしも示されていないことを念頭におく。

●対症療法は,副作用を考えて適切な薬剤を,最低限使用するにとどめる。鼻汁の吸引は効果的な治療法で,家庭で実施可能である。

参考文献

1)山田裕美:感冒.今日の小児治療指針 第16版,水口 雅・他(編).医学書院,東京,2015,pp390-391
2)原 寿郎:反復感染と免疫不全.ベッドサイドの小児の診かた 第2版,加藤裕久(編).南山堂,東京,2001,p379
3)工藤典代:子どものみみ・はな・のどの診かた.南山堂,東京,2009,pp36-37
4)黒野祐一:鼻漏の鑑別診断.JOHNS 16:1583-1586,2000
5)鈴木正志:小児アレルギー性副鼻腔炎の治療.日鼻誌37:310-315,1998
6)阪本浩一:持続する膿粘性鼻漏にどう対処したら良いですか? MB ENT 152:34-41,2018
7)長谷川達也:急性副鼻腔炎.JOHNS 23:1313-1308,2007
8)日本鼻科学会(編):急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年度版(追補版).日鼻誌53:103-160,2014
9)増田佐和子:症状から処方する薬物:透明の鼻水が止まらない.MB ENT 218:24-30,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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