文献詳細
特集 見逃してはならない耳鼻咽喉科疾患—こんな症例には要注意!
《鼻領域》
文献概要
Case
患者:46歳,女性
主訴:くしゃみ,鼻汁
病歴・経過:数年前より早朝に強い水様性鼻漏とくしゃみ症状があり,近医内科でアレルギー性鼻炎と診断され,抗ヒスタミン薬を処方されていた。最近,食事時や外出した際などに症状が強くなってきたため,かかりつけ医を受診したところ,耳鼻咽喉科での精査を勧められ当科を受診した。詳細な問診を行うと,症状は数年前より出現し,季節による変化はないという。初診時の鼻鏡所見は,下鼻甲介粘膜の浮腫様腫脹と,水様性鼻漏を認めた。鼻副鼻腔X線検査では明らかな異常陰影は認められなかった。本人が原因精査を希望したためにアレルギー検査を行った。鼻汁好酸球テストでは有意な好酸球増多は認めず,血清特異的IgE抗体定量検査は陰性で,鼻粘膜誘発テストでも明らかな原因抗原の同定には至らなかった。
患者:46歳,女性
主訴:くしゃみ,鼻汁
病歴・経過:数年前より早朝に強い水様性鼻漏とくしゃみ症状があり,近医内科でアレルギー性鼻炎と診断され,抗ヒスタミン薬を処方されていた。最近,食事時や外出した際などに症状が強くなってきたため,かかりつけ医を受診したところ,耳鼻咽喉科での精査を勧められ当科を受診した。詳細な問診を行うと,症状は数年前より出現し,季節による変化はないという。初診時の鼻鏡所見は,下鼻甲介粘膜の浮腫様腫脹と,水様性鼻漏を認めた。鼻副鼻腔X線検査では明らかな異常陰影は認められなかった。本人が原因精査を希望したためにアレルギー検査を行った。鼻汁好酸球テストでは有意な好酸球増多は認めず,血清特異的IgE抗体定量検査は陰性で,鼻粘膜誘発テストでも明らかな原因抗原の同定には至らなかった。
参考文献
1)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会(編):鼻アレルギー診療ガイドライン—通年性鼻炎と花粉症2016年版(改訂第8版).ライフ・サイエンス,東京,2016
2)Brożek JL, et al:Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma(ARIA)guidelines-2016 revision. J Allergy Clin Immunol 140:950-958, 2017
3)花澤豊行・他:血管運動性鼻炎と自律神経.JOHNS 31:1007-1009,2015
4)朝子幹也:副鼻腔炎,アレルギー性鼻炎に対する投薬.MB ENT 190:20-23,2016
5)湯田厚司:血管運動性鼻炎.日耳鼻114:934-937,2011
掲載誌情報