耳鼻咽喉科・頭頸部外科90巻13号

2018年12月発行

特集 扁桃診療最前線—扁桃を取り巻く諸問題

扁桃摘出術—術後再出血をきたさないためのコツ，起きてしまったときの対応

著者： 井坂奈央¹

所属機関： ¹東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲：P.1124 - P.1128

文献概要

POINT

●口蓋扁桃摘出術は大正から続く古典的手術であるが，初期のうちに指導されて以来自己流となることが多く，その方法は医師によって違う。

●今回は，筆者が思う安全で術後後出血を起こしにくい手術法について述べた。

●術後後出血は誰もが経験することであり，そのときの基本的な対応を示した。

●術後後出血の危険因子を見極め，術前，術後の対応に活かすべきである。

参考文献

1）日本耳鼻咽喉科史編纂委員会（編）：日本耳鼻咽喉科学会百年史．日本耳鼻咽喉科学会，東京，1993（日本耳鼻咽喉科学史および関連史年表より）

2）大越俊夫・他：いびき手術の危険性と合併症．MB ENT 156：17-25，2013

3）Walner DL：Past and present instrument use in pediatric adenotonsillectomy. Otolaryngol Head Neck Surg 137：49-53, 2007

4）守本倫子：扁桃摘出術．耳喉頭頸86：54-58，2014

5）Sarny S：Hemorrhage following tonsil surgery：a multicenter prospective study. Laryngoscope 121：2553-2560, 2011

6）Tomkinson A：Risk factors for postoperative hemorrhage following tonsillectomy. Laryngoscope 121：279-288, 2011

7）飯田 実・他：口蓋扁桃摘出後4日目に大量出血をきたした1症例．耳展41：151-153，1998

8）矢吹健一郎・他：口腔扁桃摘出術の術後出血に対するビデオ喉頭鏡システム下での血管クリップの使用経験．口咽科29：175-178，2016