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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科90巻5号

2018年04月発行

増刊号 患者・家族への説明ガイド—正しく伝え,納得を引き出し,判断を促すために

Ⅰ.耳と聞こえのこと 医師・医療者から説明しておきたいこと

聴覚過敏について

著者: 森浩一1

所属機関: 1国立障害者リハビリテーションセンター病院

ページ範囲:P.56 - P.57

文献概要

説明のPOINT

・聴覚過敏では,音が強く響いたり歪んで聞こえたりすることで,つらさ・痛み・不快などを感じ,行動制限も生じ得る。響きや歪みは感音系統の障害によるので改善が難しいが,つらさは改善し得ることが多い。

・うつの合併がある場合を除いて,有効性が確立した薬剤はない。

・強大音でなければ音自体は有害でないことを説明し,心配を軽減する。

・改善のためには,①不快でない音量の音がいつもある環境をつくる,②不快な強大音は避けるか低減する,③徐々に大きい雑音を聞く訓練を行う。④認知行動療法(マインドフルネスなど)を併用することが望ましい。

・他の病態として,音響嫌悪症,自閉症に伴う音響過敏,音響性てんかん(聴覚性発作)などがあり,対応が異なる。

参考文献

1)Valente M, et al:Evaluation and treatment of severe hyperacusis. J Am Acad Audiol 11:295-299, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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