耳鼻咽喉科・頭頸部外科90巻5号

2018年04月発行

増刊号 患者・家族への説明ガイド—正しく伝え，納得を引き出し，判断を促すために

Ⅰ．耳と聞こえのこと 医師・医療者から説明しておきたいこと

人工内耳埋め込み術を行う前に

著者： 樫尾明憲¹

所属機関： ¹東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲：P.78 - P.79

文献概要

説明のPOINT

・手術を行う目的を明確にする。患者の期待と期待される効果と合致しているか確認する。

・術後（リ）ハビリテーションの環境整備が不可欠である。

・人工内耳の故障や感染に伴う再手術は全体の5〜10％程度の割合で発生しうる。

・人工内耳術後に電池交換，スピーチプロセッサーの故障対応などの費用負担がある。

参考文献

1）Niparko JK, et al：Spoken language development in children following cochlear implantation. JAMA 303：1498-1506, 2010

2）Khater A, et al：Methods of hearing preservation during cochlear implantation. Int Arch Otorhinolaryngol 21：297-301, 2017

3）鈴木光也：【知っているようで知らない人工内耳Q & A】術後の問題点とトラブル　人工内耳手術でめまいはおきますか？　両側人工内耳平衡障害がおきますか？　JOHNS 32：1768-1770，2016

4）白井杏湖・他：【人工内耳の知識update】人工内耳手術の合併症と再手術　ENTONI 181：72-78，2015