文献詳細
文献概要
増刊号 患者・家族への説明ガイド—正しく伝え,納得を引き出し,判断を促すために Ⅲ.鼻のこと 医師・医療者から説明しておきたいこと
嗅覚障害に対する嗅覚トレーニングを行う前に
著者: 森恵莉1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.146 - P.147
文献購入ページに移動説明のPOINT
・嗅覚トレーニング(olfactory training)は神経性嗅覚障害において有効であると欧州で報告されているが,日本において名称も含めてまだ確立されていない。
・嗅覚トレーニングは患者自身で施行可能で,簡単である。
・副作用や合併症はないが,施行するのに注意点がある。
・においがしなくても,鼻呼吸を意識して,においを積極的に嗅ぐように生活指導をする。
・トレーニング前後の評価はコンプライアンスを上げるため,重要である。
・嗅覚トレーニング(olfactory training)は神経性嗅覚障害において有効であると欧州で報告されているが,日本において名称も含めてまだ確立されていない。
・嗅覚トレーニングは患者自身で施行可能で,簡単である。
・副作用や合併症はないが,施行するのに注意点がある。
・においがしなくても,鼻呼吸を意識して,においを積極的に嗅ぐように生活指導をする。
・トレーニング前後の評価はコンプライアンスを上げるため,重要である。
参考文献
1)Hummel T, et al:Effects of olfactory training in patients with olfactory loss. The Laryngoscope 119:496-499, 2009
2)森 恵莉:【自宅でできるリハビリテーションのレシピ】嗅覚障害のリハビリテーション.耳喉頭頸89:698-704,2017
3)Mori E, et al:Exposure to odors improves olfactory function in healthy children. Rhinology 53:221-226, 2015
4)三輪高喜:嗅覚刺激療法.小林俊光・他(編),ENT臨床フロンティア 耳鼻咽喉科イノベーション—最新の治療・診断・疾患概念,中山書店,東京,2016,pp179-181
5)Kikuta S, et al:Sensory deprivation disrupts homeostatic regeneration of newly generated olfactory sensory neurons after injury in adult mice. J Neurosci 35:2657-2673, 2015
6)Yamaguchi M, et al:Critical period for sensory experience-dependent survival of newly generated granule cells in the adult mouse olfactory bulb. Proc Natl Acad Sci U S A 102:9697-9702, 2005
7)Negoias S, et al:Changes in olfactory bulb volume following lateralized olfactory training. Brain Imaging Behav Doi 10.1007/s11682-016-9567-9569, 2016
8)Miwa T, et al:Impact of olfactory impairment on quality of life and dis- ability. Arch Otolaryngol Head Neck Surg. 127:497-503. doi:10.1001/archotol.127.5.497, 2001
9)Croy I, et al:Olfactory disorders and quality of life-an updated review. Chem Senses. 39:185-194. doi:10.1093/chemse/bjt072, 2014
掲載誌情報