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増刊号 患者・家族への説明ガイド—正しく伝え,納得を引き出し,判断を促すために Ⅴ.声とことばのこと 医師・医療者から説明しておきたいこと
甲状軟骨形成術・披裂軟骨内転術を行う前に
著者: 上羽瑠美1
所属機関: 1東京大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.234 - P.236
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・発声時に声帯が閉鎖しやすい形態に喉頭を形成し,音声と発声しやすさを改善することが目的である。
・音声改善手術は術式選択が重要である。
・局所麻酔で行う場合は音声を確認しながら治療することができる。
・治療後に注意すべき合併症は喉頭浮腫や血腫による呼吸困難で,特に披裂軟骨内転術では気道確保(気管内挿管や気管切開術)が必要となることがある。
・発声時に声帯が閉鎖しやすい形態に喉頭を形成し,音声と発声しやすさを改善することが目的である。
・音声改善手術は術式選択が重要である。
・局所麻酔で行う場合は音声を確認しながら治療することができる。
・治療後に注意すべき合併症は喉頭浮腫や血腫による呼吸困難で,特に披裂軟骨内転術では気道確保(気管内挿管や気管切開術)が必要となることがある。
参考文献
1)Isshiki N, et al:Arytenoid adduction for unilateral vocal cord paralysis. Arch Otolaryngol 104:555-558, 1978
2)Isshiki N, et al:Thyroplasty type Ⅰ(lateral compression)for dysphonia due to vocal cord paralysis or atrophy. Acta Otolaryngol 80:465-473, 1975
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6)兒玉成博・他:披裂軟骨内転術と併用術式の発声機能評価.音声言語医学52:149-157,2011
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