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特集 知っておきたい麻酔の知識
日帰り手術のための麻酔
著者: 柏木邦友1
所属機関: 1鼻のクリニック東京麻酔科
ページ範囲:P.536 - P.541
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●出血の多い手術や術後疼痛の強い手術などを除き,耳鼻咽喉科疾患でも日帰り(全身)麻酔手術が可能である。
【全身麻酔の場合】
●日帰り全身麻酔手術は,育児や介護など,社会的に入院が困難な患者に適している。
●基礎疾患に喘息をもつ場合,全身麻酔により術後に喘息発作を起こす可能性があるため,術前に十分コントロールしておく。
●術後の嘔気・嘔吐の既往,悪性高熱症の素因,てんかんの合併がある場合などでは,完全静脈麻酔が推奨される。
●筋弛緩薬はアレルギーの原因となるため,使用は必要最低限とする。
●術後鎮痛は非オピオイド系鎮痛薬を用いる。
【局所麻酔下での手術の場合】
●中途半端な鎮静はせん妄や興奮の原因となり,過鎮静では呼吸抑制が引き起こされる。
●鎮痛は局所麻酔を主体とし,静脈からの鎮痛薬,鎮静薬は主体として考えない。
●手術にかかわるスタッフはACLSを取得し,危機管理に対応できる環境を整える。
●出血の多い手術や術後疼痛の強い手術などを除き,耳鼻咽喉科疾患でも日帰り(全身)麻酔手術が可能である。
【全身麻酔の場合】
●日帰り全身麻酔手術は,育児や介護など,社会的に入院が困難な患者に適している。
●基礎疾患に喘息をもつ場合,全身麻酔により術後に喘息発作を起こす可能性があるため,術前に十分コントロールしておく。
●術後の嘔気・嘔吐の既往,悪性高熱症の素因,てんかんの合併がある場合などでは,完全静脈麻酔が推奨される。
●筋弛緩薬はアレルギーの原因となるため,使用は必要最低限とする。
●術後鎮痛は非オピオイド系鎮痛薬を用いる。
【局所麻酔下での手術の場合】
●中途半端な鎮静はせん妄や興奮の原因となり,過鎮静では呼吸抑制が引き起こされる。
●鎮痛は局所麻酔を主体とし,静脈からの鎮痛薬,鎮静薬は主体として考えない。
●手術にかかわるスタッフはACLSを取得し,危機管理に対応できる環境を整える。
参考文献
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