耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻1号

2019年01月発行

特集 役に立つ！ アレルギー診療の最新情報

下鼻甲介手術と後鼻神経切断術—コツと注意点

著者： 野口直哉¹ 太田伸男¹

所属機関： ¹東北医科薬科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.18 - P.24

文献概要

POINT

●アレルギー性鼻炎の重症例では手術療法が選択されることがある。

●下鼻甲介手術は主として鼻閉の改善を，後鼻神経切断術は鼻過敏症状の改善を目的とした手術である。

●下鼻甲介手術と後鼻神経切断術を組み合わせることで優れた臨床効果が期待できる。

●鼻腔機能を失うような過度の手術は避けなければならない。

参考文献

1）鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会（編）：鼻アレルギー診療ガイドライン—通年性鼻炎と花粉症 2016年版（改訂第8版）．ライフ・サイエンス，東京，2015

2）太田伸男・他：鼻アレルギー治療とレーザー治療．耳喉頭頸89：794-801，2017

3）川村繁樹：下甲介粘膜レーザー手術（表層焼灼術）—術後7年の遠隔成績．日鼻誌38：117-121，1999

4）菊地正弘・他：アレルギー性鼻炎に対するレーザー蒸散術—アンケートによる長期予後評価．耳鼻臨床97：31-36，2004

5）竹野幸夫・他：acoustic rhinometryを用いた鼻処置効果の評価—通年性鼻アレルギー症例と正常例の比較．日耳鼻101：900-907，1998

6）川村繁樹：粘膜下下甲介骨・後上鼻神経切除術．耳鼻臨床93：367-372，2000

7）Kikawada T：Endoscopic posterior nasal neurectomy：an alternative to Vidian neurectomy. Oper Tech Otolaryngol Head Neck Surg 18：297-301, 2007

8）竹野幸夫：重症鼻過敏症に対する後鼻神経切断術（経鼻腔翼突神経切断術）．日耳鼻120：1299-1304，2017

9）Ikeda K, et al：Functional inferior turbinosurgery（FITS）for the treatment of resistant chronic rhinitis. Acta Otolaryngol 126：739-745, 2006