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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻11号

2019年10月発行

文献概要

特集 進化する経外耳道的内視鏡下耳科手術(TEES)—エキスパートに学ぶスタンダードな手術手技〔特別付録web動画〕 《TEESのスタンダードな手術手技》

外リンパ瘻閉鎖術

著者: 藤岡正人1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.960 - P.964

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POINT

●低侵襲であり,かつ明るく拡大した視野でリンパ液の漏出の有無や部位を判断できることから,外リンパ瘻に対する試験的鼓室開放術はTEESのよい適応である。

●いかにして最小限の出血で,両内耳窓(正円窓,卵円窓)を十分に明視下に置いた視野を作るかが手術のポイントとなる。

●最も注意すべき副損傷は鼓索神経損傷であり,外耳道後壁〜鼓膜輪のレイヤー解剖の理解と,術前CT画像の読影による神経走行の確認が肝要である。

●慎重に操作をする限り,本手術による骨導閾値の上昇や気骨導差増大などは稀であり,内耳窓経由での薬剤投与法への応用が期待される。

参考文献

1)新村大地・他:CTPを診断に利用した経外耳道的内視鏡下外リンパ瘻閉鎖術の7例.頭頸部外28:137-141,2018
2)岸本逸平・他:当科における外リンパ瘻手術症例の臨床的検討.Equilibrium Res 72:107-111,2013
3)大薗芳之・他:外リンパ瘻疑い例に対する手術治療成績の検討.Equilibrium Res 72:91-96,2013
4)白井杏湖・他:外リンパ瘻を疑い手術を施行した6例の検討.耳鼻臨床105:925-931,2012
5)瀬尾 徹・他:外リンパ瘻手術例の聴平衡機能に関する検討.日耳鼻104:1135-1142,2001
6)Goto F, et al:Perilymph fistula—45 case analysis. Auris Nasus Larynx 28:29-33, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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