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特集 診療で役に立つ味覚・嗅覚障害の知識 《味覚》
味覚障害の治療
著者: 山村幸江1
所属機関: 1東京女子医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.1008 - P.1012
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●味覚障害の治療は亜鉛補充療法を主体に,病態に応じて唾液分泌促進薬,抗うつ薬,鉄剤,ビタミンB12,漢方薬などを選択する。
●血清亜鉛値は60μg/dL未満を亜鉛欠乏症,60〜80μg/dL未満を潜在性亜鉛欠乏症と判断する。午前の値は高く,午後・食後は低下するので,経時的評価には同一時間帯での測定が望ましい。
●亜鉛補充療法の効果を得るには数か月を見込む。亜鉛投与量が過少・過剰とならないよう,血清亜鉛値は1〜2か月ごとに確認する。
●味覚障害の一部には舌痛症治療に用いる抗うつ薬や漢方が有効である。
●味覚障害の治療は亜鉛補充療法を主体に,病態に応じて唾液分泌促進薬,抗うつ薬,鉄剤,ビタミンB12,漢方薬などを選択する。
●血清亜鉛値は60μg/dL未満を亜鉛欠乏症,60〜80μg/dL未満を潜在性亜鉛欠乏症と判断する。午前の値は高く,午後・食後は低下するので,経時的評価には同一時間帯での測定が望ましい。
●亜鉛補充療法の効果を得るには数か月を見込む。亜鉛投与量が過少・過剰とならないよう,血清亜鉛値は1〜2か月ごとに確認する。
●味覚障害の一部には舌痛症治療に用いる抗うつ薬や漢方が有効である。
参考文献
1)児玉浩子・他:亜鉛欠乏症の診療指針2018.日臨栄会誌40:120-167,2018
2)倉澤隆平・他:血清亜鉛値80μg/dLの意味するもの.Biomed Res Trace Elements 22:34-37,2011
3)和田 攻・他:微量元素,特に亜鉛の有用性と安全性.医薬ジャーナル33:3004-3012,1997
4)北郷秀人・他:受容器型味覚障害の治癒過程に関する研究.日耳鼻98:267-280,1995
5)坂口明子・他:味覚障害1,059例の原因と治療に関する検討.日耳鼻116:77-82,2013
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7)任 智美:味覚障害の診断と治療.日耳鼻122:738-743,2019
8)大久保昌和:Burning mouth syndrome—最近の研究動向と管理の推奨.日口腔顔面痛会誌3:33-42,2010
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内服療法の臨床的検討.歯薬療法34:9-15,2015
11)松田 晃:貧血の診断と治療—巨赤芽球性貧血.日内会誌95:2010-2015,2006
12)Kuzminski AM, et al:Effective treatment of cobalamin deficiency with oral cobalamin. Blood 92:1191-1198, 1998
13)王 宝禮:口腔疾患に対する漢方医学—第4回.口内炎・口腔乾燥症・舌痛症・味覚障害・顎関節症・歯周病・口臭症・口腔不定愁訴の漢方治療の考え方.歯薬療法32:67-82,2012
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