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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻3号

2019年03月発行

文献概要

特集 一側性難聴の現状とその対応

遅発性内リンパ水腫と一側性難聴

著者: 北原糺1

所属機関: 1奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学

ページ範囲:P.222 - P.226

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POINT

●一側高度感音難聴症例で,メニエール病様の反復性回転性めまいのみが生じる場合を,同側型遅発性内リンパ水腫と呼ぶ。

●一側高度感音難聴症例で,メニエール病様の反復性回転性めまいに良聴耳の変動難聴を伴う場合を,対側型遅発性内リンパ水腫と呼ぶ。

●対側型遅発性内リンパ水腫は,先行する一側高度感音難聴の対側にたまたま発生・発症したメニエール病という考え方を否定できないため,厚生労働省では同側型遅発性内リンパ水腫のみを第2次指定難病としている。

●一側高度感音難聴症例にたまたま生じる良性発作性頭位めまい症は,同側型遅発性内リンパ水腫と注意深く鑑別する必要がある。

参考文献

1)Schuknecht HF:Delayed endolymphatic hydrops. Ann Otol Rhinol Laryngol 87:743-748, 1978
2)Kamei T:Delayed endolymphatic hydrops as a clinical entity. Int Tinnitus J 10:137-143, 2004
3)Ito T, et al:Endolymphatic space size in patients with Meniere's disease and healthy controls. Acta Otolaryngol 136:879-882, 2016
4)北原 糺:メニエール病に対する内リンパ囊開放術のエビデンスは? EBM耳鼻咽喉科・頭頸部外科の治療2015-2016,池田勝久・他(編).中外医学社,東京,2015,p118-123
5)Kitahara T, et al:Plasma vasopressin and V2 receptor in the endolymphatic sac in patients with delayed endolymphatic hydrops. Otol Neurotol 30:812-819, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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