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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻4号

2019年04月発行

文献概要

特集 初診時に必要十分な 問診・検査オーダー虎の巻 《鼻領域》

複視・視力障害

著者: 松原篤1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲:P.356 - P.358

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Point

●視力障害とは,「物が見えにくい」あるいは「ぼやける」といった視力低下に伴うものと,「物が二重に見える」といった複視を指す場合に大別される。

●視力低下の原因としては,眼球に問題がある場合と,視神経から中枢に問題がある場合がある。前者で頻度が高いものとしては白内障,緑内症,網膜剝離などがあり,いずれも眼科で対処する疾患である。後者には視神経炎や脳動脈瘤,脳梗塞などがあるが,後部篩骨洞から蝶形骨洞の病変に起因する視神経の障害の場合には,耳鼻咽喉科で対処する必要がある。

●複視の原因として,眼運動神経に問題のある場合や外眼筋に問題のある場合,構造上の問題などに分類され,いずれの場合でも耳鼻咽喉科で対処する疾患が含まれる。

●鼻領域ではないものの,視力障害に難聴を合併する疾患もあることを忘れてはならない。

参考文献

1)臼井信郎:視力障害—複視を含む.CLIENT 21—No.12 鼻,夜陣紘冶・他(編).中山書店,東京,2000,pp189-190
2)吉川 衛:副鼻腔真菌症の診断と治療.日耳鼻118:629-635,2015
3)筑田 眞:眼窩吹き抜け骨折の診断,治療および術後管理.耳展57:330-337,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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