icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻5号

2019年04月発行

増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法

Ⅲ.症状からみた鑑別診断

顔面腫脹

著者: 波多野孝1 荒井康裕1 佐野大佑1 折舘伸彦1

所属機関: 1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.106 - P.110

文献概要

当直医へのコール

●以下のような例がある。

 ・[症例1]:70代,男性。3日前から左眼痛が出現,2日前より眼瞼腫脹を認め,近医眼科を受診した。その後,複視,眼球運動障害も生じたため救急外来を受診し,画像撮影後に耳鼻科へコンサルトされた。

 ・[症例2]:60代,男性。1か月前から左上齲歯に対し近医歯科で治療中であったが,徐々に頰部腫脹を認め,左上顎歯肉からの出血も伴うようになったため救急受診した。

 ・[症例3]:70代,女性。2週間前より近医歯科で右下歯牙の根端治療を受けた。その後,右下顎から頰部の腫脹,疼痛,開口障害も出現したため救急受診した。

●救急外来への受診方法としては,顔面腫脹のみが主訴の場合はwalk inが多いが,呼吸困難症状をすでに訴えている場合には救急搬送もある。

●耳鼻咽喉科へ直接コールがある場合も多いが,腫脹の部位や随伴症状によってまず脳外科,歯科・口腔外科,眼科が救急で診察を行い,他科で画像検討などののちにコンサルトとなる場合もある。

参考文献

1)奥住沙也・他:下顎歯周囲感染症から波及した咀嚼筋隙膿瘍の2症例.日耳鼻119:1300-1304,2016
2)熊井琢美・他:顔面腫脹.JOHNS 33:584-586,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら