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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻5号

2019年04月発行

増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法

Ⅳ.救急外来・当直での処置と治療 外傷

眼窩壁骨折

著者: 藤井博則1 御厨剛史2 山下裕司1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学分野 2古賀病院21耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.136 - P.140

文献概要

当直医へのコール

●多発外傷,スポーツ外傷,殴打に伴う外傷で受傷する例が多い1)

●好発年齢はスポーツ外傷などが受傷原因となる10〜20歳にピークがあり,その後80歳台まで横ばいである2,3)

●複視,眼瞼腫脹,鼻出血,しびれなどを伴うことが多いが,無症状のこともある。

●「強い眼痛,嘔気」は外眼筋を含む眼球内容物が絞扼している可能性があり,緊急手術が必要となる。視神経管骨折による「視力障害」を合併している例でも即時コールが必要である。

●他部位(鼻骨・頰骨)の骨折を伴うこともある。

●walk inで来る例も多く,電話でのコンサルトを受けた際は緊急性の判断を的確に行う。

参考文献

1)森山 寛・他:内視鏡下鼻内副鼻腔手術—副鼻腔疾患から頭蓋底疾患まで.医学書院,東京,2015,pp203-204
2)堀内俊克・他:済生会横浜市東部病院口腔外科における顎顔面骨折の臨床統計的検討—8年間474例の検討.日口腔診断会誌30:13-17,2017
3)武永芙美子・他:眼窩吹き抜け骨折193例の臨床統計.耳鼻臨床108:25-31,2015
4)Jordan DR, et al:Intervention within days for some orbital floor fractures:the white-eyed blowout. Ophthalmic Plast Reconstr Surg 14:379-390, 1998
5)Sires BS, et al:Oculocardiac reflex caused by orbital floor trapdoor fracture:an indication for urgent repair. Arch Ophthalmol 116:955-956, 1998
6)柳 清:耳鼻咽喉科・頭頸部外科の救急医療—眼窩骨折.日耳鼻109:678-681,2006
7)鴻 信義:鼻内法による眼窩壁骨折整復—とくに内視鏡的アプローチについて.頭頸部外科15:39-43,2005
8)高林宏輔・他:眼窩吹き抜け骨折整復術後における術後眼球陥凹についての検討.耳展59:26-30,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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