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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻5号

2019年04月発行

増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法

Ⅳ.救急外来・当直での処置と治療 急性症状を示す聴覚器疾患

Bell麻痺とHunt症候群

著者: 濵田昌史1

所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.265 - P.269

文献概要

当直医へのコール

●年齢:Bell麻痺については原因不明であり,いずれの年代でも発症する。一方でHunt症候群は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によるので,小児例,特に乳幼児では少ない。

●主訴:Bell麻痺,Hunt症候群のいずれも顔面麻痺が主訴となるが,Hunt症候群では難聴,めまいとともに耳痛・側頭部痛が初発症状のことがある。

●受診状況:walk inのことがほとんどであるが,Hunt症候群でめまいが高度の例では搬送されることも想定される。

●依頼状況:施設によって対応が異なるものと思われる。中枢性麻痺が否定されれば基本は耳鼻咽喉科医が対応すべきと考えるが,昨今の医療事情によっては神経内科医や救急救命医が対応する病院も存在しうる。

●確認すべきこと:発症日時を確認する。中枢性麻痺の鑑別のためには顔面麻痺以外の神経症状の有無も確認する。加えてBell麻痺/Hunt症候群の鑑別のためにめまい,難聴・耳鳴ならびに耳帯状疱疹の有無も問い合わせる。

参考文献

1)Hamada M, et al:How much associated is varicella-zoster virus with facial palsy? Otol Jpn 22:555, 2012
2)濵田昌史:症候・症状からの見方—顔面神経麻痺.ENTコンパス,小島博己・他(監).ライフ・サイエンス,東京,2014,pp322-323
3)持田 智:免疫抑制療法中のB型肝炎ウイルス再活性化と劇症化.分子リウマチ治療11:61-65,2018
4)濵田昌史:顔面神経検査—顔面表情の検査.耳喉頭頸89:176-180,2017
5)濵田昌史:ベル麻痺・ハント症候群の最新治療戦略.耳喉頭頸86:32-35,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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