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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻5号

2019年04月発行

文献概要

増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法 Ⅴ.当直での術後急変への対応

内視鏡下鼻副鼻腔手術後の発熱・意識障害

著者: 平野康次郎1

所属機関: 1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲:P.312 - P.317

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当直医へのコール

●病棟から当直医に「鼻の手術後の患者さんが高熱になり意識がありません!」とコールがあったときには,まず次のようなことを考えるべきである。

 ・髄液漏から発生した髄膜炎や脳炎。

 ・黄色ブドウ球菌の毒素によるtoxic shock syndrome(TSS)。

 ・発熱と意識障害が別の病態により発生している可能性もあり,意識障害を起こす鑑別疾患の除外も必要である。

●コールの内容で重要なものは次のような情報である。

 ①ショックになっているか

 ②活動性の鼻出血はあるか

 ③意識障害は一過性であるか,現在も続いているか

 ④末梢静脈確保がされているか

 ⑤術後何日目か

 ⑥鼻内パッキングは入っているのか

 ⑦意識障害を起こすような既往歴をもっているか

参考文献

1)Rombout J, et al:Complications in sinus surgery and new classification proposal. Am J Rhinol 15:363-370, 2001
2)重田泰史・他:内視鏡下鼻内手術における術中副損傷および術後合併症の検討.日耳鼻115:22-28,2012
3)Wormald PJ:Endoscopic sinus surgery. Anatomy, three-dimensional reconstruction, and surgical technique. Thieme, Stuttgart, 2008
4)鴻 信義:鼻性髄液漏閉鎖術のコツ.JOHNS 31:215-218,2015
5)大西俊郎・他:内視鏡的副鼻腔手術.メジカルビュー,東京,1996
6)聖路加国際病院内科チーフレジデント(編):内科レジデントの鉄則 第2版.医学書院,東京,2012
7)日本神経学会・他(監):細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014.南江堂,東京,2015
8)Mandell LA, et al:Infectious Diseases Society of America/American Thoracic Society consensus guidelines on the management of community-acquired pneumonia in adults. Clin Infect Dis 44:S27-72, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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