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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻5号

2019年04月発行

増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法

Ⅴ.当直での術後急変への対応

トキシックショック症候群

著者: 吉川衛1

所属機関: 1東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.318 - P.321

文献概要

当直医へのコール

●当直医へコールする側の認識にもよるが,トキシックショック症候群(TSS)は,比較的急激に病態が増悪する疾患であるため,コールされた時点でショック症状を起こしている可能性が高い点に注意が必要である。

●コールの内容としては,「患者が激しい筋肉痛を訴えています」「急に高熱が出てきました」あたりが初期症状を示しているため,TSSを念頭に置いて対応を準備する。

●さらに,コールの内容が,「激しい嘔吐や下痢をしています」「全身に皮疹(紅斑)が出ています」となれば,診察や検査を始める必要がある。

●「急に血圧が低下してきました」「意識が朦朧としています」とコールされたら,全力で患者のもとへ駆けつけて,ショック症状に対する治療を開始しなければならない。

参考文献

1)Todd J, et al:Toxic-shock syndrome associated with phage-group-I staphylococci. Lancet 2:1116-1118, 1978
2)Bonventre PF, et al:Antibody responses to toxic-shock-syndrome(TSS)toxin by patients with TSS and by healthy staphylococcal carriers. J Infect Dis 150:662-666, 1984
3)深見雅也・他:副鼻腔手術後に発症したToxic Shock Syndromeの2症例.耳展38:335-342,1995
4)金子高英・他:臨床例—TSST-1産生MRSAによるtoxic shock syndrome.皮病診療32:1311-1314,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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