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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻6号

2019年05月発行

文献概要

特集 細菌感染に立ち向かう—抗菌薬使用の新常識 《押さえておくべき現状と対策》

耳鼻咽喉科領域の細菌感染性疾患—最近の動向と対応

著者: 杉田玄1 保富宗城1 杉田麟也2

所属機関: 1和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2杉田耳鼻咽喉科クリニック

ページ範囲:P.421 - P.426

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POINT

●耳鼻咽喉科における3大起炎菌のインフルエンザ菌,肺炎球菌,モラクセラ・カタラーリスの変貌を取り上げた。

●肺炎球菌ワクチンの普及により,インフルエンザ菌56.5%,肺炎球菌26.0%と,インフルエンザ菌が優位に検出される率が多くなった。

●ガイドライン,迅速診断を活用して,肺炎球菌が起炎菌であればアモキシシリン(AMPC)高用量,もしくはアモキシシリン/クラブラン酸(AMPC/CVA),インフルエンザ菌感染であればセフジトレン ピボキシル(CDTR-PI)の高用量,もしくはテビペネム ピボキシル(TBPM-PI)12mg/kgを使用する。モラクセラ・カタラーリスが起炎菌であればAMPC/CVAを使用し,起炎菌に見合った処方を行うことが重要である。

参考文献

1)Faden H, et al:Relationship between nasopharyngeal colonization and the development of otitis media in children. J Infect Dis 175:1440-1445, 1997
2)杉田麟也:耳鼻咽喉科領域の各種感染症の原因菌の時代による変遷.日耳鼻感染症研究会誌11:136-143,1993
3)出口浩一:小児気道系感染症由来PCG-insentive S. pneumoniae(PISP)経年的推移.感染症誌66:1152,1992
4)Baquero F:Trends in antibiotic resistance of respiratory pathogens:an analysis and commentary on a collaborative surveillance study. J Antimicrob Chemother 38:117-132, 1996
5)杢野恵理子・他:PCV13普及後の小児急性中耳炎に関する疫学的検討.日耳鼻121:887-898,2018
6)杉田麟也:肺炎球菌性中耳炎.小児内科51:205-211,2019
7)上出洋介:当院における肺炎球菌ワクチン施行前後の中耳炎の推移.日耳鼻感染症エアロゾル会誌6:61-66,2018
8)松原茂規:小児の繰り返す副鼻腔炎にどう対応するか.MB ENT 227:31-32,2019
9)Hayashi T, et al:Recet changes in nasopharyngeal flora of children in Japan. Adv Otorhinolaryngol 72:176-178, 2011
10)西村忠郎・他:第3回耳鼻咽喉科領域感染症臨床分離菌全国サーベイランス結果報告.日耳鼻感染症研会誌22:12-23,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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