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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科91巻6号

2019年05月発行

特集 細菌感染に立ち向かう—抗菌薬使用の新常識

《押さえておくべき現状と対策》

結核に関する最近の動向と治療

著者: 佐々木結花1

所属機関: 1複十字病院呼吸器センター(呼吸器内科)

ページ範囲:P.427 - P.431

文献概要

POINT

●本邦の結核罹患率は緩徐ながら減少している。内因性再燃で発症する高齢者に偏在しているが,若年層では新たに外国人結核患者が増加し,20歳台の結核患者数は外国人が日本人より多数となった。

●薬剤感受性結核の標準治療は,初期2か月にはイソニアジド(INH)+リファンピシン(RFP)+ピラジナミド(PZA)に,エタンブトールないしはストレプトマイシンを併用し,維持期4か月にはINH,RFPを用いる6か月治療である。

●結核治療を成功させるためには,結核菌を確保して薬剤感受性を確認し,それによって治療薬を正しく選択する必要がある。

●多剤耐性結核は海外で大きな問題であり,本邦に外国人結核患者が増加しつつあることから,本邦で治療を行う多剤耐性結核症例が増加する可能性がある。

参考文献

1)結核予防会(編):結核の統計 2018.結核予防会,東京,2018,pp27-53(新登録結核患者数および罹患率の年次推移)
2)大森正子:結核既感染者数の推計(結核研究所疫学情報センター) http://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/info/other/
3)厚生労働省:平成29年 結核登録者情報調査年報集計結果について https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000347468.pdf
4)World Health Organization:Global tuberculosis report 2018 http://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/274453/9789241565646-eng.pdf
5)日本結核病学会(編):結核診療ガイド.南江堂,東京,2018,pp87-108(結核の治療)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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