文献詳細
原著
ドクターヘリ搬送によって救命しえた小児咽後膿瘍の1例
著者: 田畑貴久1 渡慶次資博2 新里勇二3 玉榮剛2
所属機関: 1福岡徳洲会病院耳鼻咽喉科 2沖永良部徳洲会病院救急科 3中部徳洲会病院小児科
ページ範囲:P.489 - P.493
文献概要
われわれ耳鼻咽喉科において,咽後膿瘍は頭頸部領域の重症感染症の1つである。特に,小児期では咽後間隙に存在するリンパ節が急性咽頭炎や扁桃炎などの炎症を契機に感染して発症するといわれ,男児での発生頻度が高く,成長とともに減少する。本疾患では,稀に気道確保を目的とした気管内挿管や気管切開などの処置が行われるが,離島医療ではこのような外科的治療が困難であり,島外への搬送を余儀なくされることもある。
今回,ドクターヘリ搬送によって救命しえた小児の咽後膿瘍の1例を経験したので報告する。
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