文献詳細
原著
鼻副鼻腔血瘤腫の3例
著者: 牧原靖一郎1 内藤智之1 浦口健介2 松本淳也1 假谷伸3 岡野光博4 西﨑和則3
所属機関: 1香川労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2高知医療センター耳鼻咽喉科 3岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学 4国際医療福祉大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学
ページ範囲:P.588 - P.593
文献概要
血瘤腫は臨床上の診断名であり,出血像や凝血塊を主体とした腫瘤性病変の総称で,良性疾患である。詳細な成因や病態は解明されていないが,抗凝固薬や抗血小板薬の服用などによる出血傾向が血瘤腫形成に関与する可能性が示唆されている。片側性鼻出血を反復する症例,あるいは画像検査にて骨びらんや骨破壊が認められ悪性腫瘍やアレルギー性真菌性副鼻腔炎などが疑われる症例については,鑑別疾患として本疾患も念頭に置く必要がある1)。
鼻副鼻腔血瘤腫の治療法は基本的に外科的切除であり,内視鏡手術や外切開による摘出が行われる。また術前に,出血のコントロールを目的として栄養血管に対して塞栓術が施行されることもある2)。
今回われわれは,当院で経験した鼻副鼻腔血瘤腫3例について,若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
掲載誌情報